【京都大賞典考察】敢えて強豪牡馬相手にぶつかるスマートレイアー

牝馬にとっては牡馬との混合レースよりは牝馬限定戦のほうが走りやすい。本来はそう考えても不思議ではないですが、牡馬相手のほうがメリットとなるケースも有ります。まず、牝馬限定戦は長距離のレースが少ないという点。牝馬限定戦の最長距離がオークスで、それ以降の大目標が国内に存在しないため追従するオープン競走も整備されにくく仕方のない面もあります。そして、斤量が牡馬相手より軽くなるという点。ハンデ戦や別定戦など、条件は一定ではないものの、牝馬にはアローワンスとして3歳以降は2kgの軽減があります。

その為、長距離が得意であったり、軽斤量で出走したい牝馬にとっては牝馬限定戦よりも牡馬を相手取ったほうが有利であると考えるケースも充分にありえます。来週の府中牝馬Sではなく京都大賞典へ挑むスマートレイアーもおそらくそのような思惑があるのではないでしょうか。

昨年秋は初戦の府中牝馬Sで1番人気を裏切り3着の惜敗を喫しました。京都では残念ながら勝ち星に恵まれていませんが、全4走中3レースがG1であり、秋華賞や京都記念で2着に入ってきていることを考えると適性がないわけではありません。自身唯一の2400m挑戦は香港ヴァーズで5着と健闘しました。国内のG2なら牡馬相手でも充分勝負になると考えてもよいでしょう。

シュヴァルグランやサウンズオブアース、そしてミッキーロケットなど、G1でも印がついていた馬たちも同様に復帰緒戦をここで迎えますが、シュヴァルグラン、フェイムゲームの57kgに対して54kgで出走出来るのはかなり優位に働くのではないでしょうか。

この馬のことを一番よく知っているジョッキーでもある武豊騎手を確保できたのも好評価に繋がるでしょう。休み明けとはいえ、もう7歳。叩き台の余裕はなく、一戦必勝で来るだろうと思いますので、頭まで考えて馬券は狙ってみたいところです。