父母ともに短距離馬だけど「2400mまでOK」?今後注目のサンラモンバレー
今でこそ全く聞こえなくなった声ですが、以前のキタサンブラックは常に距離不安が囁かれていたことを覚えているでしょうか。父ブラックタイドが得意としていたのが中距離未満であり、産駒の傾向も未知数な部分があったのが1つ。そして何よりも母の父サクラバクシンオーが自身も産駒にも強力な短距離適性を持っていた点が挙げられます。しかし現状を見れば結果的には杞憂どころか、スピードとスタミナを兼ね備えた理想的なサラブレッドに育ちました。
血統による距離適性は絶対ではないという意味で、興味深い馬が出てきたのでご紹介いたします。11月25日のメイクデビュー京都を1番人気で勝ち上がったサンラモンバレーです。父ロードカナロア、母モンローブロンドの2歳牡馬。父ロードカナロアは安田記念勝利によって中距離以上での期待感をもたせたまま引退となりましたが、結果を見るならばスプリンター。そして母モンローブロンドも短距離路線を走ってきたスプリンターであり、順調に出世して来年の目標は少し長いかもしれないNHKマイルカップかと考えてしまうような血統です。
デビュー戦も芝の1600mを選択。鞍上にはクリスチャン・デムーロ騎手を迎え、1.4倍の圧倒的人気を背負っての出走となりました。3番手から抜け出すと2着に1.1/4馬身差を付けて快勝しました。鞍上のC.デムーロ騎手からもレースに対して真面目、ゲートも上手、追い出してからの反応も良しと好コメントが得られましたが、特に注目すべきが池江師によるとジョッキー(C.デムーロ)は2400mまで行けると判断したそうです。つまりダービーまで対応可能ということでしょう。ジョッキーがどこまで意識しているかは定かではありませんが、従兄弟にダービー馬・ロジユニヴァースのいる血統だけに、そこまで無謀ではないのかもしれません。
サクラバクシンオーの血統ということで距離不安視されたキタサンブラック以上に長距離への適性が不安視されるであろうサンラモンバレー。まだまだ単なる1勝馬ですが、オーナーも母モンローブロンドに引き続き金子真人HDということで、G1の匂いも無きにしもあらず。
次走はクリスマスイブの開催となる千両賞を予定ということで、再度マイルになりますが名伯楽が今後どの路線を選択していくのか、果たしてジョッキーの見立て通り、より長い距離へと進路を伸ばしていくのか、今後が非常に楽しみな馬ですね。