ケンタッキーダービー馬の血統が日本でスタッドイン!
フサイチと聞いて皆さんが思い浮かべる馬名と言えば何でしょうか?朝日杯FS勝ち馬のフサイチリシャールやエリザベス女王杯を制したフサイチパンドラなど代表馬も多くいますが、やはり「音速の末脚が炸裂する!」の実況でお馴染み、ダンスインザダークを差し切った日本ダービー馬・フサイチコンコルドをあげる方が一番多いのではないかと思います。
フサイチのオーナー関口房朗氏は国内だけでなく海外にも目を向けており、アメリカで羽ばたいたのがフサイチペガサスでした。ミスタープロスペクターの直仔で400万ドル、当時の価格で日本円にして5億円以上という高額でキーンランドジュライセールにて落札されました。高額馬とは言え確実に活躍できるとは限らない世界で、期待に違わぬ活躍を見せ、ついにはケンタッキーダービーまで制覇しました。日米ダービー馬のオーナーであり、ケンタッキーダービーを勝利した初の日本人オーナーということで、当時は大きく騒がれました。
今でこそ高額馬と言えば里見治オーナーが有名ですが、当時はフサイチかアドマイヤかといったイメージが強かったです。
そんなフサイチペガサスの血を引く馬が日本でスタッドインしているのをご存知でしょうか。新ひだか町のアロースタッドで新生活に入る2016年シリウスS勝ち馬のマスクゾロです。父はロマンルーラー、母はジャイアンツコーズウェイ産駒のサラヴァティという血統です。ローマンルーラーがフサイチペガサス産駒ということで、直系の貴重な種牡馬になります。G1勝利こそありませんでしたが、ダート中距離では7勝をあげており、負かした相手の中にはアポロケンタッキーやキョウエイギアなどのG1馬もいました。
受胎条件30万円という種付け料の安さも売りの1つですが、何よりも魅力的なのは日本の繁殖牝馬ならインブリードを一切気にすることなく選り取りみどりで種付け可能という点。ダート系種牡馬では同期にコパノリッキーもいますし、先日クリンチャーでダービー馬撃破の金星を挙げたディープスカイもダートで人気の種牡馬の1頭。また、地方競馬では大種牡馬サウスヴィグラスが毎年結果を残しているなど、どこまで繁殖牝馬を集められるか注目したいです。