【阪神大賞典予想2018】同世代巻き返したクリンチャー、試金石の一戦

昨年の菊花賞で10番人気ながら2着と穴を開けたのが記憶に新しいクリンチャーが今週、阪神大賞典から始動します。菊花賞の結果から距離適性には問題なし、前走京都記念では4番人気で同世代のダービー馬レイデオロ、皐月賞馬のアルアインを含む強豪相手に快勝し菊花賞がフロックではなかったことを示し、今回は追われる立場として完全に実力の試される一戦となります。今年の阪神大賞典も例年通りまたフルゲート割れが確定の一戦。京都記念後は阪神大賞典に照準を絞ってきたクリンチャーにとって少頭数のレースは追い風となるでしょう。

鞍上はここまでパートナーを組み、良いところも悪いところも知り尽くした藤岡佑介騎手から武豊騎手へと今回からバトンタッチされます。目標は天皇賞(春)ということで、ここまで結果を出している相性の良い藤岡佑介騎手を下ろすまでして盾男こと武豊騎手を選択するからには本気で勝ちにきている気迫が伝わります。武騎手にしてもその背景がわからないはずはないのでかなりプレッシャーがあることとは思いますが、とにかく勝たせることに専念することも出来る超一流のジョッキーです。

ここを勝てば天皇賞(春)は大きく近づいてきます。反面、スタミナには定評のある馬なので負けたときは距離を敗因には出来ません。紆余曲折はありますが、長距離は騎手の腕が大きくものを言うため今回の乗り替わりはプラスになることでしょう。藤岡騎手にとって悲願のG1勝利がまた遠のきましたが、これも試練の時として一歩先へ進んでもらいたいところ。

前走、京都記念も強豪ひしめくレースでしたが今回も強敵、長距離戦に滅法強い無尽蔵とも言えるスタミナを持つアルバートが出走してきます。ステイヤーズステークス3連覇の底力は伊達ではありません。これまで阪神大賞典に出走していなかったのが不思議なほどゴリゴリのステイヤーですが、関西圏への出走は京都が三度で阪神は今回が初めて。阪神でも問題なく普段どおりのアルバートの走りを見せられるとすれば、クリンチャーにとって最大の敵となるのは間違いないでしょう。天皇賞(春)云々と語るための障壁を越せるかどうかがカギとなります。