高校生が生産の競走馬?!来年のサマーセール上場を狙う

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馬に直接携わる仕事となると都会人ならずとも、なかなかに縁の遠いことのように感じられるかもしれません。一競馬ファンとして競馬場やWINSに足を運んだり、テレビなどで競馬観戦しつつPATで馬券を購入するというのは気軽に出来ますが、仕事として馬に接する業種というとそもそもどんな選択肢があるのかという方も多いのではないでしょうか。

競馬ファンとして目にする機会の多い馬に携わる仕事と言えば、やはり騎手、そして調教師が該当するでしょう。そういった表舞台に立つ方以外にも、それぞれの厩舎で馬を直接お世話する厩務員の方々も競走馬育成には欠かせない存在です。更に何よりも大事なのは競走馬を生産する牧場運営の方々かもしれません。

日本中の各地でサラブレッドの生産は行われていますが、圧倒的に大多数を占めているのが北海道です。ばんえい競馬などもあり、農耕のお供としても馬が生活に根ざしている北海道ならではかもしれませんが、ビジネスとして競走馬の育成を学習できる環境の整っている学校があります。

新ひだか町にある北海道静内農業高等学校では、教育カリキュラムの一環として、今年もサラブレッドの仔馬を誕生させました。馬を扱う技術や知識、馬に関わる仕事に関心のある生徒が数多く集まることで有名な同校では、種付けから出産、育成、そしてなんと売買までの流れを学びます。

自身の手で育てた仔馬を手放すというのは多感な時期の生徒たちにとって寂しい思いも少なからずあるかもしれませんが、自分たちの仕事が世間からダイレクトに評価されるというのは通知表から得られるものとは格段に違う経験となることでしょう。

今年誕生したのは父エスケンデレヤ、母マドリガルスコアの牡馬で、現在は同校の生産科学科の生徒たちが毎日躾を含めて面倒を見ているそうです。

同校での生産の歴史は30年以上にも及び、過去にはユメロマン、ゴーゴーヒュウガといった中央競馬での勝ち馬も輩出しています。今年の産駒も順調に育成が進めば来年の北海道市場・サマーセールへの上場を目指しているとのことです。馬産の将来を担う生徒たちによるおそらく初めての成果とも言える同馬の今後の活躍など、気が早いとは思いますが非常に楽しみですね。