【紫苑ステークス】伏兵ミタマ、前走以上の上昇度

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今週から開幕となる中山競馬。土曜メインは秋華賞トライアル「紫苑ステークス」が行われます。今年からG2に格上げとなり、ハイレベルな戦いが期待されます。昨年はスタニングローズ、一昨年がファインルージュ、2017年にはディアドラと古馬になってもG1戦線で活躍する馬を多数輩出しており、G2格上げもうなずけるところです。

今年も多くの素質馬が顔を揃えましたが、中でも注目したいのがハーツクライ産駒のミタマです。

4月に行われた矢車賞を勝利し2勝目を挙げると、無理にクラシックを狙わず休養。夏はしっかり成長を促し、待望の復帰戦となります。重賞はフェアリーステークスの12着のみと実績的には目立たない馬ですが、前走の矢車賞・1着は高く評価したい内容。

2走前のつばき賞・7着から2ヶ月の間隔が空いていましたが、パドックでは締まった良い馬体を披露。レースでは道中最後方から上がり最速の脚で差し切り、2Fの距離延長にもしっかり対応してきました。

改修したての京都競馬場は時計が出やすく内前有利の馬場でしたが、直線で大外から全馬をまとめて差し切るという派手な勝ちっぷり。時計の2分12秒7もかなり早く、京都2200mで行われた矢車賞では最速の勝ちタイムとなります。また、この日は直線で強い追い風がふいていたこともありますが、ラスト2Fの12.0-11.7の加速ラップも優秀です。

爪のトラブルがあり万全の状態ではなかったということですが、それでもこの競馬ができるのだからポテンシャルは相当高いはず。今回は脚元も万全で順調に来ており、前走を上回る状態にあるならさらにパフォーマンスも上がってくるでしょう。

カギとなるのは小回りの“中山コース”。前走の末脚を見る限り広いコースで走らせたいタイプという印象を受けます。中山はマイルのフェアリーSではハイペースで外差し有利な馬場と条件的は悪くありませんでしたが、12着に敗退。適性面においては少々心もとないところがあるのが難点です。

とは言え、距離を伸ばしてパフォーマンスを上げてきたのも事実。忙しいマイルから2000mへと替わるのは好材料です。中山の2000mはスタート後の急坂で前半はスローペースになりがち。向正面から下り坂になるためスパート地点が早くなりやすい傾向があります。勝負所からじわっと仕掛けて渋とく脚を使える馬が有利になりやすいという特徴から、ミタマにもチャンスは十分あると考えて良いでしょう。

実績面で劣る今回は人気もそこまで上がらなそうで、妙味たっぷりな1頭となりそうです。狙い目の1頭として注目したいと思います。