コパノリッキーJBCスプリントへ!なぜ今更スプリントなのか?

マイルCS南部杯を制してG1・10勝目(地方交流含む)を果たしたコパノリッキー(牡7、栗東・村山明厩舎)は、次走に予定していたチャンピオンズC(G1、12月3日)から一転、JBCスプリント(G1、11月3日)へ出走する可能性があることが明らかになりました。

コパノリッキーは南部杯勝利後、来春から北海道日高町のブリーダーズスタリオンステーションで種牡馬となることが決まったことを発表。チャンピオンズC後の東京大賞典か川崎記念がローテーションとして発表されており、いずれかのレースがラストランになる可能性が高いとされておりました。

しかし、話は一転し、なぜかこれまで一度も走ったことがない1200mのJBCスプリントへの出走を検討していることを発表。同馬を管理する村山調教師は「デイリースポーツ」の取材に対し、この路線変更は「オーナーと協議した結果」であるとしていることから、馬主であるDr.コパこと小林祥晃氏の意向があったと明かしております。なお、鞍上は未定となっております。

なぜ引退前に今更スプリント?!

引退も決まっており、種牡馬の話も決まっているこのタイミングで、なぜスプリントに挑戦するのか?多くのファンが疑問に思うところでしょう。考えられる1つの理由として「鞍上・武豊を実現させるため」という理由を挙げたいと思います。

昨年のチャンピオンズCでは武豊騎手はアウォーディーを選択し、2着に入線。南部杯でも引退が近いスマートレイアーを選択し、見事優勝を果たしました。チャンピオンズCでも選択される保障はありません。武豊騎手は、JBC競走ではJBCクラシックをアウォーディーで、JBCスプリントではグレイスフルリープで出走予定となっております。しかし、JBCスプリントはコパノリッキーが参戦を表明したこともあって、グレイスフルリープは補欠となり、除外となる可能性が高くなりました。そうなると、武豊騎手がコパノリッキーを選ぶ可能性も高くなるでしょう。

これを見越してのJBCスプリント参戦だとするなら、小林オーナーの武豊騎手へのこだわりは相当強いものがあります。小林オーナーは、13年の有馬記念ではキズナの回避で空いた武豊騎手に自ら依頼をするなどしており、武豊騎手を乗せたい馬主というイメージは確かに強いです。

小林オーナーと言えば、自らの開運術を「風水」と強調し、Dr.コパの名前で活動する実業家というイメージもあります。勝負服は「西に黄色、東に赤」という風水の理念のもと、黄色地に赤の一本輪のものを使用したり、ドバイワールドCへ登録するも「方位が悪い」と言う理由で使わなかったりと、競馬においてもあらゆる面で風水が起用されております。武豊騎手の起用にこだわるのも、風水の1つなのかもしれませんね。

「風水だけで一度も走ったことがない1200mの舞台へ出走させるなんて無謀だ」と言われそうですが、JBCスプリントの出走メンバーを見ると、チャンピオンズCと比べるとやや層は薄い印象。メンバーだけを見ればこちらのレースの方が勝ちやすいというのはあるかもしれません。初のスプリント挑戦でG1を勝てるほど甘くはないと思いますが、Dr.コパ氏にとってのラッキージョッキーである武豊騎手とのコンビが実現できれば、あながち悪い選択でもないのかもしれませんね。