道悪適性を遺憾なく発揮したトゥインクルの強さ際立つダイヤモンドS
9レースの、フリージア賞(3歳500万-2,000m)の勝ち時計が、2:02.1。そして、メインのダイヤモンドステークス(G3-3,400m)が、3:37.8。馬場状態が、稍重とはいえ、相当悪化した中での競馬だった。
前半1000メートル通過タイムが、1:03.0、2000メートル通過タイムが、2:09.0という流れを、途中から自分で動いていって勝った、トゥインクルは強い。
通常の年より、時計がかかっていたため、ダイヤモンドステークスが、3400メートルに変更になって以降、ダントツで勝ちタイムがかかっている。
トゥインクルは、この日のような道悪への適性は非常に高いと思えた内容。2014年の、未勝利戦の時に、一度、不良馬場での競馬を経験しているが、この時も、今回と似た内容で圧勝している。芝2400メートルを、2:35.9という、2500メートル戦と間違えるような勝ちタイムで、2着馬に、1,3差をつけている。道中の通過順が、9-9-3-2だから、この時も、自分から動いていって勝っている。今回のダイヤモンドステークスの通過順位は、9-10-5-2。ほぼ、同じ内容で圧勝していることから、馬場が悪くなればなるほど、トゥインクルにとっては、有利に働くことが多いかもしれない。
この日も、全くの馬なりで、4コーナーを楽な手応えで上がってきた。2着のフェイムゲームにつけた着差は4馬身。先週の京都記念(G2)もそうだったが、やはり、馬場が悪化すると、道中でスタミナを消耗してしまい、直線も走りにくそうな馬がたくさん出てくる。この日も、究極の我慢比べ勝負みたいなところがあった。
父がステイゴールドに、母父がノーザンテースト。ステイゴールドは、オルフェーヴルのダービー(G1)や、時計のかかる阪神で圧倒的な強さを見せた、ゴールドシップなどに代表されるように、道悪は基本的に得意。母父のノーザンテーストも、時計がかかる馬場をこなす能力をよく伝えている。
2012年に、7番人気ながら、重馬場のエリザベス女王杯(G1)を勝ったゴールデンダリアが近年では代表馬になる。今後もトゥインクルの高い道悪適性は注意しておくべきで、トゥインクル出走レース時には、まずは、馬場状態に注目してみるのもいいかもしれない。
2着のフェイムゲームは、58.5キロを背負っての好走だから非常に価値がある。トゥインクルとの斤量差は4.5キロであり、更に相手の得意な馬場状態だったからこれはもうしょうがない。過去2年のダイヤモンドステークスを勝った時には時計が、3分30秒前後であった。良馬場で競馬をやらしてあげたかったのが本音。
3着・ファタモルガーナは直線、ただ1頭、内に切れ込みながら伸びてくる馬がいるなと思ったらこの馬だった。明け8歳での好走はお見事。
4着・タンタアレグリアも、自分の競馬はしている。菊花賞(G1)以来のレースで叩いた次走に期待。
7戦4勝で、個人的に注目していた、4歳馬・モンドインテロは6着。残り200メートルで一杯になった。距離短縮の次走でもう一度見てみたい。
先週の京都記念同様、非常に疲れの残りそうなタフな競馬であったため、まずは、全馬、しっかりとリフレッシュして次走に向けての準備をしてほしいと感じている。