【注目新馬】馬名に歴史あり!オークス馬の孫が初陣へ

どこの言語由来かすらわからないような馬名が増える中、逆にシンプルかつ皆さんに馴染みの深い名前、それだけによく今更この馬名が審査を通ったと思える今年の2歳馬、その名もシンデレラです。血統背景は父ハーツクライ、母イソノスワローでもちろん牝馬。レッドファルクスが活躍中の美浦・尾関厩舎の管理馬です。

このシンデレラという馬名は単なるプリンセスの引用というだけでなく、母イソノスワローの更に母、つまり祖母イソノルーブルに由来する名称なんです。

オールドファンならご存知のことかと思います。今から26年前の1991年、桜花賞で1番人気を背負いながら出走となったイソノルーブルでしたが、レース前に落鉄に気づきながらも興奮状態により装蹄師が対応できず、他の馬への影響も考慮され、そのまま出走となりました。結果5着敗退となりましたが、蹄鉄の打ち直しまではアナウンスしたものの、直しきれなかった報告がなかったことへの批判の声が高まり、競馬ファンによるJRAに対する民事訴訟にまで発展した事件となりました。

そんなイソノルーブルも続くオークスでは人気を4番に落としたものの、見事に逃げ切り優勝。靴を落としたエピソードから、イソノルーブルに付いたあだ名が裸足のシンデレラでした。そんな逸話から孫にこの名前が付けられたのではないでしょうか。

今週は牝馬限定の新馬戦はダートでしか開催がありませんが、厩舎サイドの自信の現れか、日曜中山5R芝1800mの混合戦へ北村宏司騎手を鞍上に迎えてエントリーしてきました。兄モンストールは、新潟2歳Sではジャスタウェイを抑えて優勝した実績馬。重賞勝ち馬を兄に持つだけに素質は期待ができそうです。

奇遇かはたまた狙ってのものか、モンストールも同じく尾関厩舎の管理馬でした。祖母譲りの逃げを披露してくれるか、違った競馬を見せてくれるのか、厩舎としてもレッドファルクスに続く馬が不在という状況にもありますので、看板馬としても期待したい1頭です。