3歳・洋芝・2600m。3つの条件から名馬は生まれる?

3歳馬が古馬の胸を借りるのが夏競馬ともいえます。それまでは同世代で500万条件が組まれていますが、夏は避けて通れない古馬の壁。かつそれがダービーより長い距離だとしたらさすがに厳しいでしょう。

同世代限定ならともかく歴戦の古馬、かつ降級してきた馬もいる中で戦っていかないと秋の最後のクラシックへのエントリーができなくなるだけに、中途半端な仕上げというわけにもいかない。かといって秋におつりが残らない仕上げでは何のために夏を使ったのかわからなくなる。先を見越して仕上げられるのか、調教師の腕の見せ所でもあります。

そんな過酷ともいえる洋芝2600mに挑んできた3歳馬。苦労した分、結果が出ている馬もいます。成功例を見ていきましょう。

まずはナリタルナパーク。先日亡くなったファレノプシスの同世代。函館の松前特別芝2600mを3着に食い込んでから秋華賞までの戦績は文字通り「馬が変わった」といえる勢いでした。単勝80倍の人気薄ながらもファレノプシスの2着に食い込んだ秋華賞は今でも印象に残っています。

続いてマンハッタンカフェ。3歳春から未完の大器と目されながらも心身のバランスなのか結果が残せず、夏競馬に参戦。札幌に参戦してからナリタルナパーク同様、馬が変わりました。富良野特別、阿寒湖特別と、いずれも芝2600mを連勝して本賞金加算での菊花賞までの切符をゲット。その後の活躍はみなさんご承知のとおり。

最後にゴールドアクター。こちらも札幌芝2600mを使い出してから急成長。菊花賞では見せ場たっぷりの3着。その後連勝が春の天皇賞でストップはしてしまいましたが、やはり洋芝長距離経験者です。

なぜこんな話をしているかといいますと、今週、上記のような可能性を秘めた馬が函館芝2600mに出走予定なんですね。北海ハンデキャップに出走予定のアルカサル。青葉賞では権利がとれずダービー出走はかないませんでしたが、ここを勝てばマンハッタンカフェ同様、本賞金でどうにか菊花賞に出られるかもしれません。幸い3歳馬の成績がいいレース。勝てれば菊花賞の穴馬としてサトノダイヤモンドの前に立ちはだかる一頭になるかもしれません。覚えておいて損はないですよ!