追憶の名馬面・エガオヲミセテ
渇望するタイトルは目の前まで来ている。実りある秋を迎えるために、シッカリ夏休みを満喫したエガオヲミセテの秋緒戦は、秋華賞だった。調整が思うように行かなかった為に、ブッツケ本番で最後の一冠に挑むことになりました。受験生と若いサラブレッドは、夏を順調に越さなくてはなりません。しかし、それが至難の技である、ということを、私は競馬を見て悟りました。受験生、そして若駒諸君!夏だよ夏。この短い期間は、現を抜かさず、集中しましょう。
順調さを欠いた状態の彼女でしたが、オークス同様、果敢に先行し、4角では完全に抜け出せる手応え。直線は、コーナーワークで半馬身ほど先頭に立ちます。しかし、外から桜の冠を載せたライバルが競りかけて来た。初勝利をプレゼントしてくれた豊さんは、鬼となり彼女を競り負かそうとしました。必死に応戦するも、やられてしまった。後方から鋭く伸びてきたナリタルナパークにも交わされ3着。GIで3着なら立派なもんですが、「順調だったら勝てたレース」での3着は苦いものです。サクラとコスモス、そしてファレノプシス。1つくらい、花冠をくれてもいいのに…。
秋華賞の次はエリザベス女王杯へ。多くの4歳馬が初めて走るお姉さん達に圧倒される中、彼女は飄々としていたと思います。夏に会ったランフォザドリーム姉さんやメジロランバダ姉さんとは既に顔見知り。二度負かされたエリモエクセルに、少し威張っていたかな?
しかし、いくら顔見知りでもレースでは別。4歳の少女達は、姉さん達にボコボコにされてしまいました。1~4着を5歳、6歳牝馬が独占。勝ったのはべっぴんのメジロドーベルさん、ランフォザドリーム姉さんが2着で、3着に入ったのがエアグルーヴ。親戚のおばさんも、レースでは鬼でした。彼女は9着。ちょうど1年前、同じ場所で走り出した馬が、GIを年間3レース走る馬になる。メインレースだけでなく、午前中の平場、特に新馬戦は、如何なるメンツでもシッカリ瞼に焼き付けておかなくてはならない、という事を、この事実から改めて感じました。