【日経賞2016回顧】ゴールドアクター好スタートで天皇賞へ王手!

土曜日の中山では天皇賞・春(G1)に向けての前哨戦・日経賞(G2)が行われた。レースは前半1000メートル通過タイムが65.1の流れ。少頭数だからある程度は予測はしていたものの、超がつくスローペース。

コースは違うが、同じ良馬場の阪神で行われた1週前の阪神大賞典(G2 芝3000)よりも3.5秒も遅い序盤であり、昨年の同距離、同コースの有馬記念(G1)と比べても2.7秒緩いレースとなった。こういった展開では大抵は前に行った馬と切れ味鋭い馬が台頭してくるものであり、結果もその通りとなった。

ゴールドアクター

1着・ゴールドアクターはこの日のメンバーではベストスタート賞というものがあったら間違いなく受賞していたであろうぐらいの綺麗な好発。誰もハナに立とうとしないからスタートしてすぐは先頭に立っていた。

最初の3コーナー手前からは3番手で落ち着いたものの、このペースだから鞍上の吉田隼人騎手もなだめながらの追走。このペースで折り合いをつけろというのは難しいぐらいであるから、ガツンといかなかっただけでもOKである。

残り1000メートルを過ぎ、1ハロン13秒台から12秒台へと徐々にペースアップしても置かれることなくディサイファとサウンズオブアースの外目を追走。そのまま良い手応えで直線に入ると、坂下ではサウンズオブアースに一瞬だけ離されかけたが、坂を上がってからも最後まで末脚を伸ばし最後は先頭1着。

着差はスローの流れだったから3/4馬身と僅かであったが最後は交わしたというよりもねじ伏せたという表現がしっくりくる競馬であった。

2着サウンズオブアースよりも2キロ重い58キロの斤量を背負っての1着であり、この日の日経賞勝ちで5連勝。次走は順調なら天皇賞・春になるはずである。

まだ本格化前に夏の札幌名物の2600メートル戦2勝と菊花賞3着の実績がある馬。今度は有馬記念とは違い人気の一角に支持されるはず。

周りからマークされた時にどういう競馬を見せてくれるか。次走ももちろん期待の馬である。

サウンズオブアース

2着・サウンズオブアースは、この流れでもしっかりと折り合いが付いておりペースが向いたとはいえ、最後まで見せ場を作っているあたりはこの馬らしい安定性の高さ。

馬体重は500キロを超える大型馬だが器用さがあるのがこの馬のセールスポイントであり、コーナリングも上手である。

サウンズオブアースはデビューしてからもう3億円近い賞金を稼いでいる馬であるが、まだ2勝馬であり、主な勝ち鞍は、3歳500万条件のはなみずき賞となっている。

菊花賞(G1)2着、有馬記念(G1)2着の他にも、G2で3度の2着がある馬。この日の日経賞で4度目のG2戦2着となった。最強の2勝馬に近づきつつある。

そんな不名誉な勲章はいらないよと怒りのサウンズオブアース砲を見せてどこかで1着を刻んでほしいものだ。中には、そのままの最強の2勝馬でいてと願っているファンもいるだろう。次走も注目。

マリアライト

3着・マリアライトも好スタートを決めた1頭。道中は内々の4番手を追走。この馬も折り合いに少し苦労したが、これはもうこの日のレースはみんな同じである。

4コーナーから直線に入る時に前にいた組に少し離されかけた面が見受けられたが、この馬も坂を上がってから最後までしっかりと伸びていた。

休み明けを叩いた2戦目の成績は【2-0-0-0】次走に期待したい馬の1頭である。勝負所の反応の鈍さは休み明けの影響もあったかもしれない。

アルバート

4着・アルバートも有馬記念11着以来の競馬。道中は外々の中団でのレース運びとなった。4コーナーの手応えが少し怪しく直線もそのまま馬群に飲み込まれるかという感じであったが、エンジンがかかるとやっぱりこの馬も強い。

前3頭には届かなかったが、最後は逃げたディサイファを交わしての4着。得意の休み明けでもう少し僅差の競馬をしたかったというのはあるが、この馬の得意なスタミナを生かした消耗戦の競馬であればまだまだ期待できる存在だ。

ディサイファ

5着・ディサイファも自分の力は出しきっている。得意の2000メートル前後の中距離戦になれば台頭してくるだろう。少し距離が長い嫌いがあった。

総評

この日の日経賞は、1着から3着までが昨年の有馬記念の1着、2着、4着馬であり展開も有馬記念と同じスローで流れたことから、昨年のVTRを見ているかのような競馬であった。

4着のアルバートまでが休養明けであり、上積みというのは見込めそうな形である。各馬、春のG1シリーズに向けての調整が順調に進むことを願いたい。