【秋華賞予想2017】ラビットランはまだ成長段階、世代の勢力図を塗り替えるか?

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いよいよ牝馬三冠の最終戦、秋華賞が今週京都競馬場で開催されます。秋華賞トライアルのローズSを優勝したラビットランは異例のローテーションでG1の舞台まで駒を進めてきました。ダートでデビューし4戦目で芝へ転身、500万を勝ってローズSを8番人気で優勝。芝へ転身してからは負け無しで上昇の一途を辿っております。

前走のローズSではスタートで出負けして後方からの競馬で進め、平均ペースで流れる中、道中は外目で無理せず追走。坂の下りの勢いに乗せて最後の直線で進出し、ラスト1ハロンで一気に伸びきっての完勝でした。

武器は何と言っても最後のキレる末脚。その馬名通り、まるでウサギのようにハネる独特の跳びが特徴的です。平均ペースで流れた1800m戦で外外をまわりながらもしっかりと末脚を引き出せたのは高く評価できますし、最後に見せたメンバー最速の33秒5のキレ味は強烈なインパクトを残しました。8番人気で単勝オッズは26.4倍と低評価だった馬が、まさかこんな強い競馬を見せてくれるとは、と驚いたファンも多いのではないでしょうか?良い意味で期待を裏切る走りを見せてくれました。

京都2000mの秋華賞は厳しいか?

舞台は阪神から京都に変わって距離も1ハロン延長の2000m。コーナー2つからコーナー4つの1周コースに変わり、さらに直線距離は阪神の473mから京都の328mへと約150m近く短縮され、条件はガラリと変わります。距離だけで見ればこなせる能力は十分ある馬のように思えますが、展開に左右されやすい馬なだけに今回は京都のコース適性と展開が勝敗の鍵を握っていると言ってもよいでしょう。

まず、スタートで出遅れることが多い点は不安材料の1つ。後方からの競馬なのは仕方ないとしても、外枠を引いてしまった場合にスタートで出遅れると、前回と同じようにコーナーで外外をまわっての差し込みは厳しいかもしれません。枠順も今回は勝敗をわける重要な要素となりそうです。秋華賞は比較的流れる傾向にありますが、前走は決して緩くないペースの中であそこまでの脚を引き出せたのですから、内で立ち回ることができれば後方からでも問題はないでしょう。

さらに今回は馬場も勝敗を左右する大きな要素となりそうです。京都は木曜から雨となっており、終末まで続く模様。開幕2週目とは言え連日の雨による影響は少なくはないでしょう。前走のローズSでは馬場は「良」発表でしたが、前日に降った雨の影響が残るやや重い芝でした。そんな中で33秒5の末脚を繰り出したのですから、ある程度渋っても走ってくれそうな気配はあります。トップスピードの持続力を活かすにはパンパン良馬場がベストに思えますが、どこまでこなせるかはまだ未知数。多くの不安要素がある中で挑んだローズSを圧勝したことを考えると、まだ壁を乗り越えてくる可能性はあります。

父タピット、母の父ディキシーランドバンド。父系も母系もバリバリのダート血統で、この血統から芝の一流馬が生まれるのはにわかに信じ難いですが、前走では世代の勢力図を塗り替えるほどの高いポテンシャルを垣間見せてくれました。ラビットランのような末脚勝負タイプには不利と言われるコースですが、まだ伸びしろたっぷりのこの馬なら、今回もあっさりと克服してもおかしくありません。まだ成長段階にあるラビットランの走りから目が離せなそうです。