有力騎手の常識?主流のオートマ限定免許って?
JRAのジョッキーになる為には、先ずは競馬学校に入学しなければならない。競馬学校で3年間学んだ後、騎手試験に合格した人間のみがデビュー出来る。当然、どんなに成績が良くても騎手免許に合格しなければ、デビューは出来ない。また、最初の所属先の厩舎を競馬学校時代に選択するが、これも、その後の事を考えると非常に重要な事になる。たくさんチャンスを与えてくれる厩舎を選択しないと、騎乗機会は限られる。
最初は誰でも平場のレースは3キロ減の恩恵を貰える。特にダート戦での3キロ減はかなり大きい。能力が接近している馬同士なら、当然3キロ減は+に働くが、そこには騎手の手腕が加わるので、若手騎手と中堅騎手では、当然、3キロのアドバンテージがあっても簡単に打ち負かしてしまう。その辺りは流石で若手騎手は毎回下剋上を狙うがなかなか先輩騎手の壁は厚い。
1年間の差は大きい。デビューして1年目の騎手が奮闘して40勝。その間に競馬学校では教育と、厩舎での調教の実践があるが、調教とレースでは全く別物。レースではたくさんのお金が動いている。そのプレッシャーは半端ではない。そんな中できっちり結果を残した人間のみが生き残れるサバイバル。
また勝ちと負け。すべてはここに行きつく。どんなに惜しくも負けは負け。次第にチャンスは減って来る。3年目で騎手の技量がないと自ら調教助手に転向する若手騎手もいる。競馬学校にいた3年間と、現役だった3年間。余りにも短いがその他にも騎手たちにとってヤマとなる部分がある。騎乗免許の更新だ。騎乗免許には平地免許と障害免許それぞれがあり、通常はどちらの免許も持った状態で競馬学校を卒業する。
ところが、騎乗数や勝ち星が安定してくると、片方だけの免許更新になる。いわゆるオートマ限定だ。ようするに平地レースしか乗らないと言う事。ある意味このオートマ限定こそが若手騎手が成功した瞬間とも言える。障害に出る必要がなくなり、保険はかけないでも良いと言う事。そう、このオートマ限定こそが、スターダムにのし上がる為のステップアップ。平地G1勝利のある騎手は殆どが平地しか乗れないオートマ免許を更新している。但し、デビューして最初の5年目位までは一応障害を乗れるように障害と平地のマニュアル免許。これを卒業してオートマ限定になった時が本当の勝負だ。ここから先が真の勝負が待っている。