街からWINSがなくなる?菅官房長官、ギャンブル依存症対策へ

日本国内初のカジノ設立に向けギャンブル依存症への対策が懸念されている。ギャンブルが禁止されており、カジノのなかった日本でも競馬、競輪、競艇、ボートレースと言った公的機関の主催する公営競技は存在しており、これらによるギャンブル依存症も古くから問題視されていたことではあるが、多くの日本国民にとって最も身近なギャンブル場といえばパチンコ・パチスロのホールであろう。

遊戯の結果として景品を得られる合法的な営業という体裁こそ取っているものの、その実態は非常に換金性の高く実用性の低い「特殊景品」を手に入れ、ホールのすぐそばにある第三者の施設である景品換金所で現金化するギャンブルであるというのは、ホールに足繁く通う皆さんの共通認識であることは否定できないだろう。

カジノがないはずの日本になぜギャンブル依存症患者が溢れてしまっているのか、この問題にメスを入れようとしているのが現政権である。以前からパチンコ業界への改革を求める声は聞こえており、競馬を含む公営競技も余波は避けられないと考えられていたが、街中に遊技場が溢れている状況というのは好ましくないという観点からWINSに白羽の矢が立ったようだ。

北は北海道から南は九州まで、日本各地に42箇所のWINSがある。これを多いと見るか少ないと見るかは人によるところかもしれない。しかし一昔前ならいざ知らず、PATやグリーンチャンネルなどリモート環境の整った現代であれば、WINSが遠のいたところで依存症患者がギャンブルをやめられるほどの改善となるかは疑問の残るところである。

少なからず売上も落ちることは間違いないだろうが、依存のない一般ファンだけが遠のいてしまっては健全性に欠ける一手に見える。JRAにしても売上が減る一方でWINSの維持費、人件費などが減る分、経営的な面でももはや屋台骨と言えるほどの重要性は薄れているかもしれない。ギャンブル依存症対策に乗り出す姿勢は無条件で賛同だが、蓋を開けてみれば一番被害を受けたのがWINS職員だったというような悲しい事態は避けたいものだ。

参考:headlines.yahoo.co.jp