2018ドバイミーティング考察

昨年から馬券発売もされていることだし、日本でも認知されてきていると思うので、もう日本独自のドバイワールドカップデーという言い方ではなく、ドバイミーティングと言っていいだろう。私はそうする。

そのうち「ドバイ」という発音は海外では通じないと聞くし、「Dubai」という綴り的にも「ドゥバイ」のほうが正確と言え、「ドゥバイミーティング」と表記するようになるのではないかと思っていたりもするが、それはまだいいだろう。

前置きはいいとしてレースである。まずはメインのドバイワールドカップ。率直に言って日本ダート馬のレベルは15年ほど前から良くて横ばいという状況で、ここ数年やや落ちているというのがレーティング面からも言える実情かと思う。

そうなっている理由としては日本馬の主戦場が芝であることは大前提として、クロフネなどのダートチャンピオンホースから後継馬が出てきていないこと、現在のサイアーランキング上位種牡馬で唯一ダート適性の高いキングカメハメハがここ数年種付け数を制限していることなどが主な理由と考えているが、更にゴールドアリュールまでいなくなり、クロフネのような外国産馬の再来によるダート路線の牽引・底上げに期待したい状況とも思えるのである。

また、数年前までドバイワールドカップが芝馬有利のオールウェザーコースで行われていた
時代には日本馬のワンツーということもあったが、日本の砂のダートに対してアメリカやドバイのような土のダートという馬場の違いがあり、過去にこの馬場の違いをクリアして土の馬場でパフォーマンスを上げた日本馬はいない。

ただ、今年はドバイワールドカップがダートに戻ってからで言えば比較的ビッグネームがいない年と言っていいだろう。こういった年の場合にはここでの勝利を足掛かりに世界のトップへと登り詰める馬が出てくることが以前のダート時代のドバイワールドカップでは見られたパターンでもあるが、それが地元馬やアメリカ馬ではなく、過去に例はないが日本馬にできればというところかと思う。

やはり期待が大きいのは日本馬の主戦場でもある芝のレース、過去の結果からもドバイシーマクラシックとドバイターフだろう。特に注目が集まるのはドバイシーマクラシックに出走予定の昨年のダービー馬レイデオロ、ドバイターフに出走予定の昨年・一昨年の同レースの覇者ヴィヴロス・リアルスティールということになるのかと思う。

ドバイシーマクラシックのレイデオロは近年のダービー馬がオルフェーヴルを最後にダービー以降GⅠを勝てないダービー馬が続いていること、またドバイの芝における日本馬の勝利がアドマイヤムーン以外は全て父サンデーサイレンス系が挙げたものとなり、いずれにおいても一昨年の同レースで2着だったドゥラメンテと同じ条件をクリア出来るかというのが焦点のレースと言える。今回レイデオロ以外にも非サンデーサイレンス系の日本馬の出走は多くその結果にも注目したい。

ドバイターフはヴィヴロスとリアルスティールが同レース2度目の勝利なるかという点に注目が集まるが、過去にドバイターフを2度勝利した馬は日本馬に限らず1頭もいないようである。

ドバイシーマクラシックもドバイワールドカップも同じく2度勝利した馬はおらず、欧米のトップホースは早期に引退する馬が多いことや、世界的にはシーズン開幕戦とも言えるドバイミーティングにおいて、全力で連覇を目指す欧米馬は少ないことなどが理由としてあったりするのかもしれない。

何かしらの根拠があって2度目の勝利がないようには思わないので、たまたまと気にしなくていいかもしれないが、ファンタスティックライトや昨年のポストポンドなどは連覇出来ずに敗れており、過去の傾向を覆せるかどうかというチャレンジにはなる。

これらを踏まえて総括すると日本での実績や過去の実績は良くも悪くもドバイではそれほど重要ではなく、むしろ昨年のヴィヴロスのようにそれほど注目が大きくない馬に注目したほうがいいのかもしれない。過去にドバイで勝った日本馬も日本での実績通りというよりはドバイでパフォーマンスを跳ね上げて勝っている馬が多く、その点では過去の日本馬と同様の期待が持てそうな2018ドバイミーティングと言える。