7億円の宝くじを当てても得るのが難しい「個人馬主」というステータス

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宝くじで7億円を当てる。何と夢のある話だろうか。先日販売されたサマージャンボ宝くじも本日抽選を迎えた。幸運な数名が億万長者に成り上がったということになる。毎年10万を優に超える人数が詰めかける有馬記念の日の中山競馬場に、宝くじで7億円を当てた人がいったい何人いるだろうか?1人いれば良い方だと思う。それ位宝くじで7億円当てるという事は非常に難しい。競馬にすればWIN5にしてもそう。WIN5と宝くじで大きく違うのは税金問題だ。宝くじの場合は非課税なので、税金を取られる心配はないが、WIN5は課税対象なので納税分は残しさなければいけない。

宝くじではクリアできない、中央競馬の馬主になるための“厳しい審査条件”とは?

さて、表題のように宝くじで7億円も当てた大金持ちがどうして個人馬主になれないのか?個人馬主になる条件は基本的に過去2年連続で所得が1,700万円以上あり、それが継続的で今後も見込める収入である事。これが最低条件。つまり7億円はラッキーパンチなので、継続的且つ過去2年の所得条件をクリアすることはできない。いくらお金が手元にあったとしてもなれるのは結局一口馬主まで。馬主への壁は非常に高いものがある。宝くじを元手に個人馬主になるには、会社を設立し所得を安定させるのがベターだ。

ゼロからのスタートで会社を設立して1,700万円以上の所得を継続させるのはハッキリ言って難しい。しかし、資本金が7億円あれば貯金を切り崩すだけで当面はしのげるのでどうにでもなるだろう。なぜこのような厳しい審査があるか?馬主資格を取得しても維持費や馬の購入代金などを考えれば、この条件でもかなり緩いとも言える。馬1頭でも維持費は月に50万円、年間で600万円はかかる。購入代金を考えたら、どれだけ安い馬でも1700万円などあっという間になくなってしまうのだ。

多くの競馬ファンが注目する大事な競走馬の命を預かる代表となる馬主なので、そう簡単になってもらってはJRAの沽券に関わるというものである。宝くじで7億円当てるのは奇跡だが、個人馬主になるのはそれ以上に大変と言ってもよいかもしれない。その上、大半の個人馬主は馬主業に関しては赤字経営となってしまうのだ。個人馬主は金持ちの究極の道楽と言って良いだろう。