【JBCスプリント2017】コパノリッキーは1200mを走るのか?究極の運試し!?

今週末は3日(金)が文化の日で、三連休となっております。中央ではG1はお休みとなりますが、今週は重賞が4つも開催とレースが盛りだくさん。さらに、連休初日の3日は大井競馬場でJBC3競走が開催と、競馬ファンにとっては予想で大忙しの週となりそうです。

JBC3競走の中でもとくに注目を集めているのはJBCスプリントに参戦するコパノリッキー(牡7、栗東・村山明厩舎)です。来春から北海道日高町のブリーダーズスタリオンステーションで種牡馬となることが決まっており、第2の馬生が約束されている状況です。しかし、引退までに出走できるレースが限られてくる中で、次走に選んだレースはなんとこれまで一度も走ったことがない1200m。マイル~2000mという中距離路線で活躍してきた馬がいきなりスプリントに挑戦するのは無謀にも思えますが、ここで好走すれば種牡馬としての価値が上がる可能性もあるだけに、非常に気になる一戦となっております。

果たしてコパノリッキーは1200mで通用するのか?

出走メンバーを見ると、15年のJBCスプリントの勝ち馬コーリンベリーや、14年のスプリンターズSの勝ち馬スノードラゴン、14年のJBCスプリントの勝ち馬ドリームバレンチノなど、大きなタイトルを獲ったことがある馬たちが揃ってはおりますが、近走は順位を落としている馬ばかり。実績や近走の調子で見ればコパノリッキーが抜けております。

しかし、舞台は前走のマイルから2ハロンも短縮された1200m。過去に出走経験があるならまだしも、全くの初挑戦となる距離が舞台となります。能力的には強くとも、未経験の舞台で果たして通用するのかどうかというところが最大の見所となっております。

まず一番に懸念されるのは「スピード」です。わかりやすく極端な例で例えるなら、マラソン選手が100m競走を走るようなものでしょうか。これまで長い距離を走っていた者がいきなり短い距離を走れば、スタート後の初速の違いや、走り方の違いに戸惑うことでしょう。長い距離を走る場合、最大スピードの何割かの力で効率よく走ろうとしますが、短距離の場合はスピードを出すために全身を使った大きな走りになります。どんなに優秀なマラソン選手でも、走る距離が一気に短縮されれば自身の持ってる高い能力が活かされない可能性が高いと考えるのが普通です。

実際はマラソン選手のようなステイヤータイプがスプリントを走るわけではないので、対応できる可能性ももちろん考えられますが、コパノリッキーはスタートがすごい上手い馬というわけでもないので、スタート直後に前につけれずそのまま惨敗というケースも十分考えられます。大井競馬場1200mは最初のコーナーまで距離が長いので、スタートが五分でもそこまで不利となることはありません。ただ、外からかぶせられるため、逃げ馬が内枠の場合はいいですが、テンに行けない馬が内枠に入ると厳しい面があります。あまり内過ぎるのも怖いかもしれませんね。どの枠順に入るかも非常に気になるところです。

コパノリッキーのオーナーであるDr.コパこと小林祥晃氏が自身のツイッターで「JBCスプリントでスピードを試したい」と呟いていることからも、今回のスプリント挑戦は試走感が強いと言えます。種牡馬の道はすでに用意されているわけですから「この距離でも走ってくれれば種牡馬としての価値も上がるし、ラッキー!」くらいのイメージで、運試し的な間隔で勝負をしてみるのも面白いかもしれませんね。何れにせよ、コパノリッキーがどんなレースを見せてくれるのか、楽しみにしたいと思います。