30日木曜日、門別競馬場で行われる2歳牝馬限定の交流重賞「エーデルワイス賞」（Jpn3、ダ1200m）は、地方と中央の次世代女王候補が激突する注目の一戦となる。このレースは例年、早期デビューでキャリアを積んだ道営馬が強さを見せる舞台であり、過去10年で7勝を挙げている。JRA勢が人気を集めやすい傾向にあるが、地の利を活かした北海道勢の伏兵が波乱を演出するケースも多く、侮れないレースだ。

注目は、無敗で挑むホッコータルマエ産駒のリュウノフライト。ここまで3戦3勝と完璧な戦績を誇り、スピードとレース運びの柔軟さが光る。逃げだけでなく控えても結果を出しており、展開に左右されにくい点は大きな強みだ。舞台慣れした地元馬であり、重賞初制覇のチャンスは十分にある。

もう1頭、道営勢からはパイロ産駒のミスティライズが浮上する。戦績は4戦1勝と地味だが、リュウノフライトに2度挑んで2着と差のない競馬を続けている。勝負根性の強さとレースセンスの高さを考えれば、展開ひとつで逆転もあり得る存在。人気が割れるようなら、馬券的にも妙味ある1頭といえる。

対するJRA勢では、美浦・畠山吉宏厩舎のアパタイトテソーロが初ダートに挑む。芝で未勝利を勝ち上がったばかりだが、父スワーヴリチャード、母系にヘニーヒューズの血を持つ配合から、ダートでも通用するポテンシャルを秘める。テソーロ一族らしく適応力も高く、初の地方遠征をこなせれば、一気の突き抜けも十分に視野に入る。

中央勢の実力か、地元勢の意地か。秋の門別を舞台に繰り広げられる若き牝馬たちのスピード決戦は、今年も見逃せない一戦となりそうだ。