【クイーンS展望2026】狭い進路をこじ開けた末脚はホンモノか?フレミングフープが逆転候補に浮上
公開: 2026/08/02 04:00

札幌開催2週目の日曜メインを飾るのは、牝馬限定G3・クイーンステークス。今年はヴィクトリアマイル組をはじめ、重賞戦線で実績を積み重ねてきた実力馬が顔をそろえ、例年以上にレベルの高い一戦となった。
その中で、人気以上の評価を与えたいのがハーツクライ産駒のフレミングフープである。
前走成績だけを見ると強く推しにくい印象を受けるかもしれない。しかし、一戦ごとの内容を丁寧に見直していくと、この馬は着順以上に評価すべき材料を数多く持っている。特に小倉牝馬ステークスの内容は、今回のクイーンステークスを占う上でも非常に重要な一戦だった。
フレミングフープは3走前の3勝クラスを勝ち上がりオープン入り。その後は牝馬限定G3へ2戦続けて挑戦し、5着、12着という成績を残している。
数字だけ見れば物足りなく映るかもしれないが、小倉牝馬ステークスの5着は決して悲観する内容ではなかった。
このレースには今回も有力視されるボンドガール、ココナッツブラウン、クリノメイが出走していた。結果はボンドガールが2着、ココナッツブラウンが3着だったが、フレミングフープは勝負どころまで互角以上の競馬を見せ、2着ボンドガールとは0秒2差、3着ココナッツブラウンとも0秒1差という僅差でゴールしている。
着順以上に価値があるのは、その競馬内容だ。
当日の小倉は外から差す馬が優勢となる馬場傾向だった。その中でボンドガールやココナッツブラウンはスムーズに外へ持ち出し、持ち味の末脚を存分に発揮した。
一方のフレミングフープは終始内を立ち回る形となり、直線でも狭いスペースをこじ開けながら伸びる厳しい競馬を強いられた。
最後は外から伸びた各馬に差されたものの、進路取りの差やスムーズさを考えれば、数字以上に内容は濃かったと言える。
むしろ、あの状況で最後まで脚色を鈍らせなかった点を評価すべきだろう。
もし直線で十分な進路が確保され、外へ持ち出せる形になっていれば、着順が入れ替わっていた可能性も十分に考えられる。
今回、人気上位が予想されるボンドガールやココナッツブラウンとの差は、能力差というより競馬のしやすさによる違いだった印象が強い。
さらに見逃せないのが、キャリアの浅さによる上積みである。
小倉牝馬ステークスはオープン昇級後初めての重賞挑戦であり、生涯でもわずか2戦目の重賞だった。続く前走もまだ3戦目の重賞挑戦と、経験値では今回の有力馬たちに大きく劣っていた。
重賞ではペース、位置取り、勝負どころの駆け引きなど、条件戦とはまったく異なる経験が求められる。その経験を積みながら戦ってきたことを考えれば、今回の4戦目で見込める上積みは決して小さくない。
重賞を使われながら力を付けてきたタイプだけに、ここで本格化を迎えても不思議ではない。
札幌芝1800mは直線だけの瞬発力勝負になりにくく、コーナーから長く脚を使える持続力も問われるコースだ。
小倉牝馬ステークスで見せたしぶとい末脚は、この舞台でも大きな武器になるはずである。
もちろん今回はヴィクトリアマイル組をはじめ、実績豊富なメンバーが相手となる。しかし、小倉牝馬ステークスで互角の勝負を演じたボンドガール、ココナッツブラウンと再び対戦できることは、この馬の能力を測る絶好の舞台でもある。
人気だけを見れば伏兵の立場かもしれないが、レース内容を細かく分析すると評価は大きく変わる。
前走着順だけで判断すれば見落としてしまう一頭だが、小倉牝馬ステークスの内容、重賞経験による成長、そして札幌芝1800mへの舞台替わりを総合的に考えれば、有力馬との差は決して大きくない。
スムーズな競馬ができれば、小倉牝馬ステークス以上のパフォーマンスを見せる可能性は十分ある。
今年のクイーンステークスは実績馬が注目を集める一戦だが、その牙城を崩す存在がいるとすればフレミングフープではないか。重賞で積み重ねた経験を力へ変え、初タイトルへ大きく前進する走りに期待したい。

