秋の中距離王決定戦「天皇賞・秋」へ向け、日本ダービー2着の実力馬マスカレードボールが態勢を整えつつある。23日にはC.ルメール騎手を背に美浦のWコースで1週前追い切りを実施。相手に選ばれたのは皐月賞馬ソールオリエンスという豪華な併せ馬だった。3馬身ほど前に出た僚馬を目標に折り合いを重視して追走し、道中は終始リズム良く運ぶ。向正面から徐々にスピードを上げていくと、直線では内からしっかりと脚を伸ばして併入に持ち込んだ。

時計は6F84.3－5F68.9－4F53.6－3F38.8－1F11.8と全体的にバランスの取れた好ラップを刻み、前走時の1週前追い切りよりもさらに速いタイムを記録。反応の鋭さ、最後の伸びともに申し分なく、G1馬を相手に堂々と渡り合った内容だった。

ルメール騎手との初コンビながらも、道中の折り合いは極めてスムーズで、操縦性の高さを改めて示した点も好材料。ここまで「1週前にWコース、最終追いで坂路」という得意パターンで調整が進んでおり、陣営にとっても理想的な過程だ。

春の大舞台で惜しくも戴冠を逃したマスカレードボールだが、あの悔しさを糧に成長を遂げてきたことは明白。休養を経てリフレッシュし、心身ともに充実一途の今、再びG1の舞台で頂点を狙う準備は整った。