【中山牝馬S2016回顧】超スローペースでの展開制したのは重賞初Vシュンドルボン

日曜日の中山では古馬牝馬の重賞・中山牝馬ステークス(G3)が開催された。同じ日の5レースの芝1800メートルで行われた3歳未勝利のペースが、前半800メートル・50.2、1000メートル・63.5。メインの中山牝馬ステークスは、前半800メートル・51.5、1000メートル・63.7。まだ成長途上の若駒より遅いペースで構成されたレースだった。

1着・シュンドルボンは大外枠からのスタート。このペースだから各馬たまらんという感じで折り合いを欠く競馬となり、シュンドルボンも若干行きたがっていた道中だった。ただ、すぐ前に有力馬であるルージュバックがいたこともあり、競馬はしやすかっただろう。

4コーナーではスッとポジションを押し上げてGOサインを出すと直線は温存していた末脚を発揮した。最大の難敵、ルージュバックを坂を上がってからかわすと、そのまま先頭1着で初重賞制覇を成し遂げた。ルージュバックの56キロに対して、シュンドルボンはこの日は54キロの斤量だった。

これで、鞍上の吉田豊騎手とのコンビでは2戦2勝。昨年2015年のシーズンは、9戦3勝2着4回の安定感抜群の競馬を披露していた。準OPを勝ったばかりで挑戦した、エリザベス女王杯(G1)では、1着のマリアライトからコンマ2秒差の7着に入線しており能力は高い。今年は期待してみたい馬の1頭である。

2着・ルージュバックは、56キロの斤量を背負っての競馬と左前脚の落鉄というアクシデントがあった。有馬記念(G1)以来の競馬で叩いた次走に注目。アクシデントなしの競馬をもう一度見たい。

3着・メイショウスザンナは15番人気での激走。メイショウスザンナといえば、2012年のジェンティルドンナが牝馬3冠を達成した年にオークス(G1)で6番人気に支持されていた馬である。桜花賞(G1)5着などがあり、元々持っている能力は高かった。

この日と同じ舞台の中山1800メートルでフラワーカップ(G3)2着という成績がある。その他、1800メートルでは、クイーンステークス(G1)7番人気1着、福島牝馬ステークス(G3)13番人気3着などがあり、メイショウスザンナにとっては激走できる得意距離ということも大きかっただろう。

道中インコースで距離ロスもなく競馬ができたのもよかったのかもしれない。中山や福島、札幌などの小回りコースで結果を出すことが多いため、今後も直線が短いコースでの競馬となった時に期待してみたい。

2番人気のアースライズは8着。道中の通過順は【9-7-12-15】である。4コーナーでは最後方付近まで下がりながら直線は最後まで伸びていた。

川須騎手が意図的に下げたのか、それとも馬にアクシデントがあったのかわからないが、少しチグハグな競馬になってしまった感は否めない。

作戦だとしたら、なかなかの大胆騎乗であった。この馬も着順ほど負けておらず、次走、もう一度見てみたい。

3番人気に支持された、ハピネスダンサーは5着。道中はちょうど中団の位置取り。やっぱり、このペースであったから少しムキになって走っていた。

ただ、自分の力はしっかりと出しきっている印象。牝馬限定戦のこのクラスであれば上位に入着する力は持っている。今後もこの辺りのクラスで期待。

これだけのスローペースで流れたから、1着から最下位16着までのタイム差は0.7差。少し特殊な競馬になった今年の中山牝馬ステークスであった。