スワンステークス(2019)はベスト舞台、1400m巧者のスマートオーディン豪脚さく裂なるか
京都の土曜メインはマイルチャンピオンシップを狙うマイラーとスプリンターが集結した「スワンステークス」です。マイルチャンピオンシップのトライアルレースとは言え、近年はそこまで本番での好走に直結しておらず、マイラーよりも1400mを得意とするような馬が好成績を収めている印象が強いです。微妙な適性が必要な故予想も困難を極める一戦ですが、今年はフルゲート18頭が集まり面白いメンバー構成となっております。
そんな中でとくに注目しているのは、スマートオーディンです。スマートオーディンは、3歳までに重賞を3勝し、ダービーでも5番人気に推され6着に入線する実績の持ち主でした。しかし、ダービー後には屈腱炎を発症し長期休養を余儀なくされ、約2年間という長い休養を経て昨年の夏に復帰しました。
復帰はしたものの5戦連続で掲示板にも乗らない敗退が続き、もともと中距離を主戦場としておりましたが、これまでの舞台では勝ち星を挙げれず、徐々に走る距離も短くなっていきました。そして今年2月、復帰後6戦目となった1400mの阪急杯で勝利し、ようやく復活を果たしました。その後は京王杯スプリングC(7着)、安田記念(13着)と再度凡走が続き、休養を挟んで今回のスワンステークスで戦線復帰してきました。
着順だけ見ると全盛期の頃と比べると物足りない面はありますが、意外にもこの馬には1400mに高い適性があるのではないかと感じております。
まず、復活Vを果たした阪急杯は阪神の芝1400mが舞台で、前走のマイルから1F短縮したものでスマートオーディンにとって初の1400m戦でした。レースではスタートで出遅れたものの、最後方の大外から33秒4の末脚で追い込みを決めて見事優勝を果たしました。この時の2着が短距離G1の常連馬レッツゴードンキで短距離G1の常連馬ですから、決してレベルが低かった訳ではありません。
さらに、続く京王杯スプリングCでは着順こそ7着でしたが、上り最速32秒6で追い込んだ末脚はかなりのもの。次に上りが速かった33秒0に0.4秒差もつけております。また、レコード決着の中で勝馬と0.3秒差なら大きく割り引く必要もないでしょう。
そして、阪急杯と京王杯の1400m戦を走った後はマイルG1の安田記念に挑戦。今年初戦の京都金杯でもマイルを走りましたが、10着に敗退。上りは最速でしたが、2番目の馬とは0.1秒差と目立ったものではありませんでした。安田記念に至っては13着に敗れ、上がりは3番目までにも入れませんでした。やはりマイルは今のスマートオーディンにはやや長めという印象で、1600mになると微妙に末脚が鈍ります。
スタートはあまり良くないので1200mではなかなか買い難くなりますし、マイルだとやや長め。1400mは届きやすいちょうど良い距離というイメージです。後続の差し馬の切れ味を削ぐくらいの遅くはないペースの中、前も落ちてくる中でバテ差しを狙うといスタイルが今のスマートオーディンに合う印象です。メンバーと展開次第では1200mや1600mでも好勝負ができそうですが、今回のスワンステークスはメンバーも距離もベスト条件と言えるでしょう。
鞍上は近2戦で手綱を握った池添謙一騎手から武豊騎手へと乗り替わり。折り合いやペース読みの上手い武豊騎手なら信頼度も高いはず。ここはアタマもあると見てスマートオーディンを中心に馬券を組みたいと思います。