アーリントンカップ、条件変更なしでも番組改変でガラリと性格の違うレースになるか?

今週開催されるアーリントンカップ、2月末のイメージが強いレースのため私個人としては違和感の強い開催となります。距離や開催場所などの条件は変わらず、NHKマイルカップトライアルの役割を与えられての編成になりますが、ニュージーランドトロフィーと一週違いで同じ距離というのは、わざわざ移動させてきたにしては差別化がいまいち仕切れていないのではないかと感じてしまいます。

それならばいっそ中京のファルコンステークスをトライアルにすれば距離もバリエーションが出るうえ、右回り左回りの差も出てくるためいろいろな戦略、ローテーションが生まれてきてファンとしても楽しめるのではないでしょうか。

そして、マイル重賞ではありますが本質的にマイラーではない馬たちがステップとして使っていたレースでもありました。タニノギムレットやディープスカイは言わずとしれたダービー馬で、ダンツフレームもアグネスタキオン、ジャングルポケットといった強敵相手にクラシックで活躍し宝塚記念まで手にしました。また、一昨年の勝ち馬レインボーラインに至っては今年の阪神大賞典を勝利し、1600mと3000mの重賞を制覇する離れ業をやってのけました。

これまでは、NHKマイルカップを視野に入れた陣営ばかりではなく、重賞に出走するメンバー相手にどこまでやれるか力試しといった印象もあったアーリントンカップですが、今年からは皐月賞と同じ週に組まれるということでクラシックを狙う陣営からは縁遠いレースとなりそうです。

トライアルらしさという点では進化したのかもしれませんが、意外性のある馬の出走機会が減ると思うと寂しい気持ちもあります。最近の番組改変で言えば金鯱賞でも似たような違和感がありましたが、今年スワーヴリチャードが金鯱賞から大阪杯を勝利したことで路線の整備は進んだことでしょう。今後も後を続く馬が出てきて「王道」と言えるローテーションまで定着するかもしれません。

アーリントンカップは果たして今後どのような存在になっていくでしょう。まずは立派にNHKマイルカップのトライアルレースという役目を全うしていくことですね。