中山以外で行われる今年最後の中央G1が、阪神芝1600mの「朝日杯フューチュリティステークス」だ。有馬記念を前に資金を増やすという意味でも、見逃せない一戦であり、例年通り「当てやすさ」が最大の特徴となるレースである。

昨年は1番人気が馬券圏外に敗れたものの、2番人気が2着を確保し、勝ち馬も5番人気と、結果的には上位評価馬での決着だった。むしろ昨年が荒れた部類に入るほどで、基本線は人気サイド。穴馬が絡むとしても1頭が限界と見るのが妥当だ。

重要なのは前走内容で、原則として前走1着が必須条件。重賞であれば2着まで許容されるが、前走人気は2番人気以内が望ましい。3番人気以下からの巻き返しは過度な期待禁物だ。レース格自体は問わず、人気に応えて結果を出していることが何より重要となる。

騎手では川田将雅が近年連続好走を続けているが、今年は1勝クラス敗戦馬での参戦となり、データ的には割引材料が揃う。一方で注目したいのがC.デムーロ騎手で、過去10年で4度の騎乗すべてが馬券圏内、うち3回が2着と抜群の安定感を誇る。

脚質は先行有利が基本だが、決め手があれば差しも届く。枠順は内寄りがベターで、近年は外枠が明確なマイナス材料となっている。

その条件を踏まえ、まず注目したいのはアドマイヤクワッズだ。前走のデイリー杯2歳Sは前半34.5秒、後半34.5秒のミドルペースからのラスト11.2-11.2のレコード勝利と文句無しの快勝。早い時期から完成度の高さで勝負出来る血統で、3戦目でどこまで成長できているかも楽しみな1頭だ。外枠でも12番ならココは期待しかない。

次にエコロアルバは、非凡な能力でデビュー連勝。前走のサウジアラビアRCではスローペースからの瞬発力勝負を大外一気で制圧。ラスト3Fは上がり2位のゾロアストロを0秒6上回る豪脚で差し切って見せた。エンジン全開となれば勝ち負けだろう。

3頭目のカヴァレリッツォは5馬身差の新馬Vに前走のデイリー杯2歳Sはアタマ差の2着。前走はスタートして外へ張る面があったが、内へ入れて壁をつくる競馬ができており、課題の気性面をC.デムーロ騎手が巧みにカバー。同コンビ継続なら逆転の余地は十分だ。

最後のダイヤモンドノットは初勝利に3戦を要したが、前走の京王杯2歳S勝ちは強い内容。差し有利の展開を先行して突き放した点は評価が高く、先行勢が粘れず苦しんだ差し競馬の中、残すどころか3馬身も突き放す強い勝ちっぷりだった。G2を勝ってさらなる上昇気配がある。

今年の朝日杯FSも、軸は堅く、相手をどう絞るかが的中への近道となる一戦だ。