アーモンドアイの半妹ユナカイト、続けて大物となれるか要注目
今年のオークスは、父ロードカナロアという理由から距離不安も囁かれていたアーモンドアイが、ルメール騎手も想定外の好位からの競馬で突き抜けて勝利しました。道中ぴたりとマークされる形となった3着ラッキーライラックに騎乗した石橋騎手のレース後のコメントでは、4コーナーで振り返るとアーモンドアイのシャドーロールが見えて、もうこの位置にいるのかと驚かれていたように、誰もが度肝を抜かれるような展開のなか難なくと言ってもよいほど規格外の内容で圧勝しました。
母フサイチパンドラは2006年エリザベス女王杯勝ち馬で、重賞戦線でも幾度も馬券に絡んでいたため、当時から競馬をされている方なら名前を覚えている方も多数かと思いますが、産駒の成績には恵まれていたとは言い難く、7番仔のアーモンドアイでようやく初めてのオープン入りかつ大物の登場となりました。しかし、残念ながらフサイチパンドラは今年の2歳馬とラストクロップの当歳馬の2世代を残して昨年の10月に亡くなっています。
ロードカナロアの父キングカメハメハとは過去に3度配合をしていますが、アーモンドアイは高望みにしても期待されたほどの戦績は残せていなかったものが、ロードカナロアとの1番目の仔で大爆発するというのは血統の奥深さを感じざるを得ません。
ロードカナロア以前は、キングカメハメハ以外にもシンボリクリスエス、ハービンジャーといった、クラシックディスタンスを意識した血統かもしれませんが、皮肉にもスプリンターとの配合で中距離型の世代を代表する馬が出てくることになりました。父の持つスピード特性が母のスタミナとガッチリ噛み合った結果と仮定するとアーモンドアイの半妹にあたる今年の2歳馬ユナカイトにも期待ができるかもしれません。
ロードカナロアとの配合は残念ながら1世代・アーモンドアイ限りとなってしまいましたが、ユナカイトの父もまた短距離血統であるヨハネスブルグになります。アーモンドアイ同様シルクレーシングの所有馬で、厩舎は美浦・木村厩舎に決定しました。新種牡馬で傾向の読めなかったロードカナロアとは違い、産駒に短距離の傾向が出やすいことがわかっているヨハネスブルグとの配合になるため、姉と同じく中長距離の路線を目指すとなればさらなる距離不安が叫ばれることでしょう。特に3歳クラシック路線をヨハネスブルグ産駒が賑わすというのは例にないことと思います。この配合がどのようにでるか、底知れぬ2冠馬の半妹ということで黙っていても注目を集めることが間違いない1頭です。
また、フサイチパンドラ最後の産駒となる当歳馬の方は父がルーラーシップとなり、アーモンドアイ以前に近い意図を持っての配合に思われますが、キングカメハメハ系統であるというロードカナロアとの共通点も見出すこともできます。ロードカナロアの母系が影響を与えた可能性を考慮すると、ルーラーシップの母エアグルーヴというのは強力な武器ともなりえます。
当歳馬はまだ先としてもダービーが終われば順次2歳馬がデビューしていきます。ユナカイトも既に入厩しており、デビュー時期は夏の終わり頃を想定されているようです。