【有馬記念2018予想】オジュウチョウサンはロマン

有馬記念のファン投票は第2回目の中間結果まで発表。昨年は上位10頭のうち実際に出走したのは3頭のみと少なかったですが、今年は現時点では回避を表明している馬も少なく、例年以上には集まる可能性が高そうです。

さて、今年の有馬記念で異例の注目を集めているのは障害出身のオジュウチョウサン。

前走は1000万下の南武特別を3番人気で優勝し、芝レースを2連勝中です。有馬記念に出たいという長山オーナーの願いにファンが呼応するかたちで、1回目のファン投票では3位にランクインし、2回目の投票でも引き続き3位をキープしております。

コツコツと賞金を稼がずファン投票頼みで出走を目論むことに対する批判もあるようですが、「競馬は突き詰めれば夢とロマンだと思う。」という長山オーナーの言葉に共感するファンも少なくはないでしょう。ファン投票の結果がそれを証明していると言っても良いのではないでしょうか。

障害界では絶対的な存在故に人気もあり、レース当日もそこそこの人気が集まるでしょう。ただ、G1馬とは言っても全てが障害レースでのもので、前走が平地の1000万下で3番人気になるような馬がG1に出走することは異例中の異例。平地の実績で考えれば超がつくほどの格下であり、単純に考えれば迷わず消すのがセオリーでしょう。

しかし、そんなことはわかりきった上で買うというファンもいるでしょう。相撲取りがプロレスラーに転身、歌手からレーサーへ転身など、競馬以外でも様々な転身がありますが、やはりそこには夢とロマンがあり、例えそれがどんなに無謀な挑戦だったとしてもそれを追う者を応援する人は一定数いるのです。筆者が大好きな故・大橋巨泉さんの言葉にも「競馬はロマンで見ろ、馬券は金で買え」という至言があり、お金だけでなくロマンを持ち続けることは大切であるということを上手く言い得ております。

とくに有馬記念は、年末の浮かれたシーズンに開催され、普段は馬券を買わないお客の参加も多く、ファン投票によって出走馬が決まるシステムなども相まって"お祭り"的なイメージの強いレースとなっているため、伏兵馬を応援しやすいレースと言って良いでしょう。ジャパンカップのような実力至上主義的な意味合いが強いレースでは場違い感があるかもしれませんが、お祭りレースなら「年末くらいオジュウチョウサンを買って夢を見よう」という心理も働きやすいでしょう。

昨年のファン投票の最終結果を見てみると、10位の馬は約44,000票。すでに約69,000票も集めているオジュウチョウサンは、トップ10入りは確実と言って良いでしょう。夏に平地挑戦と有馬記念の目標を聞いた際は筆者も耳を疑いましたが、気づけばほぼスタートラインに立っているという状況です。障害レースで見せている強さを平地競走でも見せてくれるかどうか、出走はまだ確定しておりませんが、ロマンを見て楽しみたいと思います。