今週から開幕する中京競馬場の日曜メインはダート王決定戦「チャンピオンズカップ」が行われる。

連覇を果たしたレモンポップが引退し、地方勢の台頭も相まってダート界は主役不在の大混戦となっている。そんな中、前評判ではジャパンダートクラシックを連勝で制したナルカミと、前走みやこSを勝利し中央ダート無敗のダブルハートボンドによる“二強対決”が注目を集めている。しかし、今年の主役候補として推したいのは、レガーロ産駒の5歳牡馬アウトレンジだ。

レガーロ産駒と言われてもピンとこないファンは多いかもしれないが、レガーロはアメリカでG1を3勝した名馬バーナディーニの日本での初後継種牡馬として注目を集める存在である。現役時代こそ12戦2勝と平凡な成績ながら、血統背景は一級品だ。アウトレンジがG1の舞台で結果を出せば、血統のロマンが再び競馬ファンを魅了することになるだろう。

前走みやこSでは1番人気に支持されながら7着に敗れた。しかし、この敗戦は決して悲観すべき内容ではない。不良馬場の特殊な馬場状態で、勝ったダブルハートボンドより3kg重い斤量を背負っていた点を踏まえれば、結果以上に価値のある走りだったと判断できる。むしろG1へ向けて視界が開ける内容だったと言っていい。

さらに評価すべきは前々走の帝王賞である。地方最強クラスのミッキーファイトにクビ差まで迫り、直線の脚色はむしろアウトレンジの方が優勢だった。すでにトップクラスの地力を証明したレースであり、今回の中央G1でも通用する裏付けは十分だ。天気予報も晴れで、前走の不良馬場とは一転して良馬場が見込まれる点も大きな追い風となる。

今年のチャンピオンズカップは、帝王賞2着の実力が示す通り、アウトレンジがダート界の主役へ名乗りを上げる絶好の舞台。混戦模様のダート戦線で、その真価を証明してG1制覇を果たす姿を期待して応援したい。