ゼーロスが地元大井で巻き返しを狙う。前走の鎌倉記念では初の左回りに戸惑い、1コーナーで大きく外へ膨れるロス。立て直してからは後方7番手といつもの先行策を取れず、厳しい展開となったが、それでも直線では力強く脚を伸ばして3着を確保した。勝ち馬ベストグリーンには離されたものの、2着とは0秒5差。まともな競馬ができていれば、少なくとも2着争いに加われた内容だった。

デビューからの大井2戦は好内容。いずれも1400mで2戦目は持ち時計を一気に2秒近く短縮。前に行けるスピードと立ち回りの上手さを兼ね備えたタイプで、地元に戻る今回はその持ち味を最大限に発揮できよう。笹川翼騎手は前走後に「コーナーを回っていかず競馬になっていない。能力は高い」とコメントしており、まだまだ競馬は荒削り。コーナーが緩い大井1600mへの舞台替わりは確実にプラス材料となるだろう。

また、先週のJBCスプリントを制したばかりの陣営の勢いも見逃せない。成長途上ながらポテンシャルの高さは折り紙付きで、ここで初タイトル奪取の期待が高まる。強敵としてはゴールドジュニアを制したゴーバディ、そして前走で同舞台を快勝したシャンスラードが上位候補だが、ゼーロスが地元の利を生かして主役に躍り出る可能性は十分。前走の悔しさを晴らす走りに期待したい。