【凱旋門賞2017】仏へ発ち1ヶ月経ったサトノダイヤモンド、疲れやダメージなし

現在、日本を代表してフランスへ遠征している池江厩舎の2頭、サトノダイヤモンド(牡4)とサトノノブレス(牡7)が20日に軽めの追い切りを消化しました。

追い切りはシャンティイ調教場内にあるダートのリオン坂路で行われ、2頭とも1,000mのハッキング(軽めのキャンター)の後、1,000mの軽めの追い切りで調整しました。

凱旋門賞の話になると度々出て来るこの「リオン坂路」という練習場は、シャンティイ城が見える広場までつながっている約4kmの坂路練習場です。坂路練習場と聞くと日本のトレセンのような施設で使われているようなコースを想像するかもしれませんが、このリオン坂路は広大な森の中にダートの道が一本通っているだけで、大自然を利用した壮大なコースとなっております。ちなみにこのリオンという言葉はライオンの事だそうです。

筆者も写真でしか見たことはありませんが、木々に囲まれた静けさが伝わる森の間を一頭の馬が駆け抜ける様は神秘的で、改めて馬が神聖な動物であることを感じさせられました。

他にも、オルフェーヴルが最終追い切りを行った事で有名な「エーグル調教場」などがありますが、調教場とは言ったものの、ただのだだっ広い原っぱでこちらも大自然溢れる芝コースとなっております。しかし、どこまでも続いていきそうな自然の長い丘はコースをタフなものにしておりますし、馬場もパワーを要します。ちなみにエーグルという言葉は鷲(わし)の事だそうです。ライオンの森と鷲の原っぱを抜けるとルネサンス時代からの歴史的建造物であるシャンティイ城が見えるなんて、なんと贅沢な練習場でしょう。

とにかく何もかもが日本の競馬とは違うフランスの競馬環境。前哨戦のフォワ賞では6頭中の4着と不甲斐ない結果となってしまったサトノダイヤモンドですが、フランスに到着して早1ヶ月、レースにも出走し現地の環境にも少しづつ慣れてきているとすれば、本番の凱旋門賞では本来の力が発揮されるかもしれませんね。

調教後、調教助手の中澤一博氏は「フォワ賞の疲れやダメージもなく、両馬とも良い状態です。フォワ賞で走ったことが良い材料になって、目標である凱旋門賞に向けて順調に仕上がってきています。明日は1時間の引き運動をして、金曜と土曜はリオン坂路で調教する予定です。」とコメント。(JRAからのリリースによる)

果たしてどこまで巻き返すことができるのか?世界の注目が集まる本番の凱旋門賞まであと10日。楽しみは尽きません。