【天皇賞春2016予想】総合力のキタサンブラック、唯一の不安材料は「血統」か?

今週末はいよいよ春の古馬長距離王を決める戦い、春の天皇賞ですね。昨年の有馬記念を制し、現在5連勝中のゴールドアクターが人気の中心となりそうですが、過去10年で1番人気が優勝したのは一度のみ。1番人気が有力視されているゴールドアクターは果たして1番人気不振のデータを覆して勝つことができるのでしょうか?

過去10年のデータで見ると、1番人気よりも堅実な成績を残しているのが2番人気の馬です。過去10年の成績は【4-2-1-3】と優秀で、連対率60%、複勝率70%は1番人気よりも圧倒的に信頼度が高いです。

今年の天皇賞春で2番人気に推されそうなのはキタサンブラック。昨年の菊花賞馬で、有馬記念でも3着に健闘し、前走の大阪杯では武豊騎手との新コンビで2着に入着しており、今年大活躍中の4歳馬の「大将格」と言える存在です。人気よりも下の着順になったことはなく、常に人気以上の成績を収めてきた優秀な馬です。今回の天皇賞春で2番人気に推されれば、2着以上は間違い無さそうに思えます。

スプリンター・サクラバクシンオーの血がどう出る?長距離でも「キタサン祭り」?

データ的に買える馬ではありますが、不安材料が全く無いわけではありません。こと天皇賞春においてはどの馬にも当てはまる不安ではありますが、やはり「距離の不安」は拭えません。キタサンブラックは気性の問題も無く折り合いもつけやすい利口な馬という印象で、中長距離で総合力の高さを見せて好走し続けています。そんな馬ですから距離の不安はメンバーの中では比較的少ない方だと思いますが、しいて挙げるなら「血統」でしょうか。問題となるのは母方の血統で、母方の祖父にあたるサクラバクシンオーは「スプリント」とされる1200mで活躍していた馬で、3000mはおろか1400mまでしか勝ったことはありませんでした。サクラバクシンオーは産駒としても活躍しておりますが、そのほとんどは短距離馬。そのサクラバクシンオーの血を引くキタサンブラックは、3000mの距離はどうしても不安材料となってきます。

とは言えこれまでのキタサンブラックの好走ぶりや、実際に菊花賞を制していることからも、そんな血統の壁も乗り越えてくれるだろうと期待感を抱くファンも多いでしょう。血統もあくまで予想の材料の一つに過ぎず、短距離馬の血を引きながら長距離を克服してきた馬もたくさんいます。また、その逆で長距離馬の血を引きながら適性が見いだせなかった馬だっています。不安材料が少なく、総合力の高いキタサンブラックが唯一不安視されている血統の壁を克服できるかどうかという意味でもこの天皇賞春は注目度の高いレースですね。