例年ブリーダーズカップの翌日にアメリカのケンタッキーで開催されるファシグティプトン・ノベンバーセール。今年は良質な繁殖牝馬を仕入れるべく日本のバイヤーが熱かったのが印象的でした。
凱旋門賞の夢は次世代に継ぐことになったキズナといえば、いわずとしれたノースヒルズの生産馬ですが、そんなキズナにふさわしい花嫁としてキトゥンズクイーンをノースヒルズがこのセールで購入しました。キトゥンズクイーンは主な勝ち鞍こそ今年のジャージーリリーSくらいですが、G1ダイアナS、G2ニューヨークSで3着の戦績があります。G1もハナ、クビ差での3着だったこともあり、素質は一級品。落札価格はこのセールではお買い得といえる30万ドルでした。
もともとサンデーサイレンスはアメリカの馬ということもあり、最近はヨーロッパの系統の繁殖にサンデー系を種付け、というのがよく見られます。とはいえノースヒルズはヘブンリーロマンスなどはアメリカで種付けしていたりしていますので、アメリカの血統の繁殖にキズナやサンデー系を種付けする、という流れはいつか主流になるのかもしれませんね。
その他、社台ファームがレニーズガッドジップを100万ドル、スターシップトラッフルズを150万ドルという高額で落札しています。それぞれメダグリアドーロ、タピットを受胎した状態での購入。産駒は日本で走ることになるんでしょう。
持ち込みの繁殖牝馬で受胎済というケースは覚えておいたほうがいいのかもしれません。イギリスからの例にはなりますが、ビワハヤヒデも当時無名だった種牡馬シャルードの仔を受胎していた繁殖牝馬パシフィカスを早田牧場が購入して生まれた産駒。そう考えると、ひょっとしたら大物がこの2頭の産駒から出てくるのかもしれません。
もちろん今後の狙いはキングカメハメハやディープインパクト、あるいはロードカナロアなどとかけあわせたい、ということで購入はしているのでしょうが、特にタピットは日本でも実績がある種牡馬なので、まだ少し先になりますが、今日ご紹介した繁殖牝馬の産駒は追いかけて損はないでしょう。POGをやられている方はぜひ覚えておいてくださいね。