【ラジオNIKKEI賞2019予想】ブレイブメジャー、距離延長は吉と出るか?
人間で言えば無酸素運動の限界と言われる40秒を若干超える400mがスプリントの限界と言われますが、競走馬の世界では平地の芝でスプリントと呼ばれるものでも最低1000m、レコードでも50秒を優に超える時間を走るため陸上競技でいうところの100m走のようなものとはやはり異なります。一方、長距離においても世界には特殊なレースがあるもののJRAの平地の芝の競走においてはステイヤーズステークスの3600mが最長ということで、100m~42.195kmを走り分ける人間の陸上競技のような幅広さはありません。
そんな競馬でも距離適性という言葉はよく使われますが、実のところサラブレッド自身もどの程度本気で走っているのかわからず、人間側も適性に関してはあやふやなままレース選択をしているという可能性は有り得る話かもしれません。
試行錯誤の見て取れる例として有名なのが、三冠馬ナリタブライアンが天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念と秋の古馬王道といわれるローテーションを3連敗したのち、年明け初戦の3000m阪神大賞典で復活勝利を遂げた2走後に1200m高松宮杯(現・高松宮記念)に参戦するなど、距離の壁とどこまで戦えるのかというような試みも過去には見られました。最近では海外遠征や地方交流など、適性にあっていると思われるレースだけでも充分な選択肢が用意されている時代になってきたため、挑戦的な距離変更を組む陣営は減ってきたように思えます。
今回取り上げたいのは、そこまで大げさな距離変更ではないものの、母系を見ると疑問符の浮かぶような選択をしたと思える、ラジオNIKKEI賞に登録してきたブレイブメジャーです。馬名から推測できるように父はダイワメジャーで、母は現役時代には短距離重賞を賑わせていたシーイズトウショウという血統で、この組み合わせならばマイル以下が主戦場と見るのが自然に見えますが、デビューから使い続けてきたマイルから1ハロン延長となる舞台を今回は選択してきました。
これまで3戦して毎回騎手は変わっており、今回も戸崎騎手と初めてのコンビになりますが、これまで2勝、2着1回と安定した走りを見せています。登録21頭と人気の集まったレースになりましたが幸い除外対象にはならないため入念に仕上げてくることと思われます。
昨年の2着馬には今年の天皇賞(春)を制したフィエールマン、そして勝ち馬メイショウテッコンも今年の日経賞でエタリオウを完封しているだけに、今年の上位陣の今後も含めてぜひ注目したいです。