騎手の歴史を変えるか藤田菜七子(18)
9日に千葉県白井市の競馬学校でJRA騎手課程32期生の卒業式が行われた。32期生の中で一際注目を集めるのはJRAのジョッキーを目指す藤田菜七子さん(18)だ。11日に合格発表を経れば3月からはプロのジョッキーとしてデビューする。そうなれば史上7人目、16年ぶりのJRA女性騎手の誕生となる。
藤田さんは在学時に行われてきた模擬レースでは8戦して未勝利のままであったが、模擬レース最終戦ではタマモライトに騎乗し、迷いなく逃げに出てそのまま勝利した。なんとか卒業前に初白星を挙げることができ、勝利後は本人にも笑みがこぼれた。とは言えまだまだ前途は多難である。模擬レース全9戦の総合ポイントで争うチャンピオンシップは計3勝を挙げた森裕太朗君(18)が優勝した。森君は在学時には大腿骨や骨盤の骨折などの大怪我を経験しているが不屈の精神で4年間努力してきた。模擬レースでの好騎乗ぶりからも今後注目していきたい若手騎手だ。
男性社会の競馬業界に新風を吹き込むか?
このようにライバルの同期は藤田さん以外全員男性であるが、そんな中でも1勝を挙げることができた。まだまだ競馬界は男社会の色が強いが、藤田さんにはそんな荒波を生き生きとたくましく泳いでいっていただきたい。一昔前に比べれば競馬も女性ファンが増えてきており、芸能界でも最近はアイドルグループ・AKB48の小嶋陽菜さんが男性顔負けに馬券予想を的中させたり、昨年はオーストラリア伝統の競馬メルボルンカップで女性騎手のミシェル・ペイン(30)が史上初の女性勝者に輝いたりなどして女性の活躍が目立っている。そんな中で競馬業界に突如咲いた「藤田菜七子」という一輪の花は、騎手の歴史を変える存在になっていくかもしれない。
競馬学校騎手課程32期生(氏名・出身地・所属予定厩舎)
- 荻野極(おぎのきわむ) 東京都 栗東・清水久
- 菊沢一樹(きくさわかずき) 茨城県 美浦・菊沢
- 木幡巧也(こはたたくや) 茨城県 美浦・牧
- 坂井瑠星(さかいりゅうせい) 東京都 栗東・矢作
- 藤田菜七子(ふじたななこ) 茨城県 美浦・根本
- 森裕太朗(もりゆうたろう) 宮城県 栗東・鈴木孝