相次ぐ名馬の死。日本の馬産は“戦国時代”突入か?ロジャーバローズ、父ディープの後継種牡馬として期待
ウオッカ、ディープインパクト、キングカメハメハと平成の競馬を盛り上げ貢献してくれた名馬たちが相次いで亡くなるという悲報が続いている中、凱旋門賞参戦も予定されていた今年の日本ダービー馬・ロジャーバローズの引退発表もあるなど、藤田菜七子騎手のシャーガーカップ参戦やWASJ参戦など明るいニュースはあるものの、全体的に重たい空気が漂っている印象もあります。
ロジャーバローズは引退レースとなった日本ダービーでは12番人気の大穴からの逆転勝利ということで、出来ればもう少し現役生活を見て本当の強さを見極めたかった感がありますが、父ディープインパクトが亡くなったことで血統的にも貴重となりましたし、若くから種牡馬としての活躍に期待ができるという意味ではそれほど悪いニュースではないのかもしれません。
古くはフジキセキが弥生賞勝利後にクラシック参戦のないまま引退、種牡馬入りとなりましたが、同期のジェニュイン、タヤスツヨシなどと比較してもサンデーサイレンスの後継種牡馬として役割を十分に果たしてきたと言えます。また、神戸新聞杯勝利後に引退となったキングカメハメハも、古馬との対戦は見られないまま種牡馬入りとなりましたが、結果は皆さんご存知のようにサンデーサイレンス系に対抗する一大勢力を築き上げるまでに至りました。
そういった意味で、古馬と未対戦で同世代との勝負付けも完全についていないとは言え、ロジャーバローズの屈腱炎による早期のスタッドインは将来的に実を結ぶ可能性も十分有り得る英断だったのではないかとも思えます。
もちろん、骨折など苦しい時期を経て復活を遂げたトウカイテイオーの有馬記念など、競馬ファンの心を揺さぶるのはやはり現役を続けてこそ、という側面も競馬にはあるわけですが、ディープインパクト、キングカメハメハの両頭をほぼ同時に失ってしまった日本競馬の今後は、残された若い世代に託されます。
ディープインパクト、キングカメハメハを付けていた良質な繁殖牝馬がどう動くのか、来年の種付けは戦国時代となりそうです。現状はキングカメハメハの後継としてロードカナロアが一歩抜け出しているので優先して選ばれるところでしょうが、ディープインパクトの後継者はまだこれからといったところ。
果たしてどのような勢力図になるのか、注目していきたいですね。