【JRAレパードS予想】ジャナドリアは危険な人気馬か?取捨を見極める視点とは

3歳ダート重賞「レパードステークス」(G3、ダ1800m)に、羽田盃3着の実績を持つジャナドリア(牡3、武井亮厩舎)が出走する。デビューからの連勝で重賞・雲取賞を制した実力派だが、今回の舞台では“絶対視できない1頭”として、評価の難しい立ち位置にいる存在だ。
前走の羽田盃では、好スタートからスッと2番手を確保。先頭を常に射程圏に置く強気の正攻法でレースを進めた。道中では後続にプレッシャーを与え続ける積極的な競馬を見せたが、直線での加速力が足りず、最後は勝ち馬から突き放されての3着。すべてを出し切っての結果だっただけに、単純に素材力の差が出た格好だった。
加えて、レース後には「疲れが出た」との厩舎コメントもあり、目に見えないダメージがパフォーマンスに影響を及ぼしていた可能性もある。実際、羽田盃で東京ダービーへの優先出走権を得ながらも、疲労が抜けきらずに出走を断念。初戦でも暑さにより能力を発揮しきれなかった経緯があるように、気候条件がパフォーマンスに影響を与えるタイプかもしれない。
しかし今回は、そうした課題にもしっかりと対応がなされている。6日の最終追い切りでは、美浦のダートコースで単走追い。馬なりながら6F78秒5―37秒8―12秒6と、暑さを感じさせない爽快な動きを見せた。武井調教師も「息遣いも良く、序盤からしっかり動けていた。状態は90%以上まで仕上がっている」と手応えを語る。さらに、直前輸送ではなく競馬場に直接入厩しての滞在策を選択しており、暑さ対策にも抜かりはない。
一方で、不安要素が完全に払拭されたわけではない。特に懸念されるのが「時計勝負への対応力」。現状、大井競馬場の馬場は砂厚が戻って時計がかかるようになってきたとはいえ、レパードSの舞台となる新潟のダートは比較的軽く、スピード決着にも対応する必要がある。これまでのパフォーマンスからは、その適性にはやや疑問が残る。
とはいえ、今回の出走メンバーの中で唯一の重賞ウイナーであり、地力は確か。羽田盃では勝ち馬に大きく離されたとはいえ、3着は確保しており、レベルの高い南関クラシックで戦ってきたことは強調材料だ。ただ、盤石な存在とは言い切れず、伏兵勢が入り込む余地も十分にある。馬券戦略としては「軸視するかどうか」を冷静に見極めたい1頭だ。
堅実なレースぶりと経験値を武器に、中央G3の舞台でどこまで通用するか。ジャナドリアの真価が問われる一戦となる。

