弥生賞(G2)有力馬情報・マカヒキ2強対決に割って入る

今年の弥生賞(G2)は、戦前から3強ムードと注目されている。朝日杯FS(G1)を、桁違いの競馬で3着以下を突き放した、リオンディーズとエアスピネルの2頭に、別路線組から、新馬・若駒ステークス(OP)を連勝してきたマカヒキ(牡3・栗東・友道康夫)が今週の目玉である。

マカヒキは現在2戦2勝。デビュー戦は、昨年10月の京都1800メートル。ゲートもまずまず出て、道中も11頭立ての5番手のちょうど中団の位置取り。道中も特に問題なしで、直線に向くと、鞍上のミルコデムーロ騎手が軽く仕掛けただけであっという間に前を捉えて、更にそこから2馬身半の着差をつけた。前半800メートル・49.0、1000メートル・61.5というスローペースであったが、瞬発力はかなりのものを感じた。

2戦目は年明けの若駒ステークス(OP)。8頭立ての少頭数の競馬となり、スローペースは確実と見られていたが、こちらが予想している以上に流れは落ち着いた。前半800メートル・50.7、1000メートル・63.4の超がつくスローペース。この流れを、マカヒキは道中5番手。

これだけペースが緩むと折り合い面で苦労する馬も出てくるが、マカヒキの場合は、この折り合いに関しては、実にスムーズ。初戦と比べても、リラックスして走っている感じが見受けられ道中は完璧。直線は、逃げたノーブルマーズを、残り100メートルで交わしにかかると、そこから更に、1.1/4馬身差を付けた。通常、これだけのスローペースになると、全馬余力が残っているため、なかなか、突き放せないのが常識だが、マカヒキの場合は、この流れの中、ステッキを使わずに堂々と抜け出した。上がりは32.6。

今回は、その若駒ステークス以来になる。出走馬のレベルが段違いに上がる、この弥生賞で、どんな競馬を見せてくれるのか非常に注目だ。現在、マカヒキはレースにおいてステッキを一度も使っていない。

今週は、さすがに相手がリオンディーズとエアスピネルである。楽な競馬はさせてもらえそうにないだけに、ルメール騎手も本気モードでくるだろう。後は、本番に向かう前にもう少し道中、厳しいラップを経験させておきたいところだが、今週の弥生賞もそこまで速い流れは期待できそうにない感じである。

2009年に日本ダービー(G1)を勝ったロジユニヴァースは、3歳の春の時点では、クラシック最有力として期待されていた。弥生賞を前半800メートル・48.9、1000メートル・62.0の超スローペースを逃げ切り圧勝すると、続く皐月賞でも単勝1.7倍の支持を集めたが、結果は14着惨敗。前半800メートル・46.9、1000メートル・59.1という弥生賞とは全くの正反対となった息の入らない厳しい流れの中で全く抵抗できずに馬群に沈んでいった。スローペースに慣れてしまうと、どうしてもG1の厳しい流れとなった時に馬自身が戸惑うことも当然ある。

マカヒキの場合は持っている能力は一級品だと感じるだけにクリアしなければいけないところはそこだけ。まずは、今週、リオンディーズ、エアスピネルの既にG1での実績がある馬たちとの力関係を見てみたい。今年の弥生賞も注目必至のレースである。