【アイルランドT予想2025】武豊✕アドマイヤマツリ、リベンジの舞台は整った

ヴィクトリアマイル7着から巻き返しを狙うアドマイヤマツリが、得意の東京芝1800m戦で再び存在感を示す構えだ。ここまで6戦して3勝。初勝利まで4戦を要したが、条件戦を着実に勝ち上がり、今春の福島牝馬Sで重賞初挑戦ながら堂々の勝利を飾った。遅咲きながら確実に地力を伸ばしてきた上昇牝馬だ。
前走のヴィクトリアマイルでは、スタート直後から積極的にポジションを取りに行ったが、前を行くアリスヴェリテを深追いせず、実質的な逃げの形となった。直線では早めに追い出して粘り込んだが、最後はG1級の末脚に屈し0秒3差の7着。それでも強豪ひしめく頂上決戦で、堂々たる走りを見せた。「理想的な展開だった。これ以上ない流れでした」と語った田辺騎手のコメントが象徴するように、内容は決して悲観すべきものではない。むしろ、この敗戦が馬を一段階成長させた印象だ。
そして今回は、得意条件への舞台替わりが大きな追い風となる。というのも、東京芝1800mは【2-2-0-0】とパーフェクトな戦績を誇る舞台。特に今年2月の初音ステークスでは、ハイペースの流れを2番手から堂々と押し切り、クビ差の2着に好走。勝ち馬カナテープは後に関屋記念を制しており、その実力差はわずかだ。内容面ではむしろ勝ちに等しい競馬だったと言っていいだろう。
今回は主戦・田辺裕信騎手の負傷離脱により、鞍上は武豊騎手へスイッチ。キタサンブラック産駒&アドマイヤの良血ラインに名手ユタカが跨るとあって、話題性も抜群だ。ペース判断と折り合いに長けた騎手だけに、前走で見せたややオーバーペースの課題を克服する可能性は高い。
一戦ごとに確実に内容を良化させているアドマイヤマツリ。福島牝馬Sを制した勢いを再び呼び込み、東京での完全戦績を伸ばす構えだ。前走で敗れたカナテープとの再戦も燃える要素の一つ。すべての条件が整った今回は、世代牝馬戦線に名乗りを上げる絶好のチャンスとなりそうだ。この後のエリザベス女王杯へ向けて、再浮上の狼煙をあげられるかに注目だ。

