ほとんどの馬に距離不安がある今年のオークス。そんな中で高い適性を見込んでいるのが、フローラSを制したエリカヴィータだ。
2走前のフェアリーSでは2番人気に推されながら10着に大敗したが、スタートで出遅れ、4コーナーで他馬にぶつけられる不利もあり、自分の競馬が出来なかった。続くフローラSでは課題であったゲートを決め、直線は内から馬群を割って重賞初制覇を果たした。マイルまでの経験しかない馬が多い中で、マイルから2ハロンの距離延長を難なくクリアしたのは大きなアドバンテージとなるだろう。
これまでの競馬を見る限り、中団の前目あたりから終いを伸ばすのが同馬のスタイル。前走は逃げ馬からは離れた位置だったものの、スタートを決めて4番手にポジションを取った。前半の追走力が問われるマイルでは終いで伸びあぐねる可能性が高いが、2400mならスタートさえ問題なければ前半は楽になるだろう。距離を延ばして無理なく前を取れたフローラSの競馬ぶりを見ると、距離延長はプラスになる可能性は高い。
馬体重は440kg前後と小柄な牝馬で、腹下も長く、まさに中長距離仕様の体型といった馬体も良い。他がいかにもマイラー体型の馬が多いせいもあってか、距離適性が際立って高く見える。また、気性の問題も全く見られず、折り合いの不安が無いのも好感が持てる。オークス勝利現役最多の記録を持つ“牝馬の福永”とのコンビなら、いっそう信頼度も高くなるだろう。
適性最上位は明白で、シンプルにここで懸念すべきは相手関係のみと考えたい。パンチ力が無いのがややネックだが、少なくとも軸では買いやすい1頭。波乱続きの今春G1シーズンは、こういう馬から広めに流して勝負するのが良いかもしれない。