中京競馬の日曜メインはダート路線のチャンピオン決定戦であるG1「チャンピオンズカップ」が開催。注目を集めそうなのは、昨年の勝ち馬で今回が引退レースとなるレモンポップと、今年のフェブラリーステークスの勝ち馬であり、前走の南部杯でレモンポップと激戦を繰り広げたペプチドナイルの2頭だ。それ以外にも、前走でJBCクラシックを制した昨年の2着馬ウィルソンテソーロ、今年のフェブラリーステークス2着のガイアフォース、勢いのある3歳馬サンライズジパングなど、実力馬が揃った豪華な顔ぶれとなっている。
その中で特に注目したいのは、キングカメハメハ産駒の6歳牡馬スレイマンだ。これまで重賞勝ちはないものの、G3アンタレスステークスやプロキオンステークス、そして前走のJpn3で2着を確保するなど、ダート重賞路線で常に上位を争う実力馬だ。ダートG1の実績馬と比べると戦績の見劣りは否めないが、これまでのレース内容を見れば、その実力の確かさが浮かび上がる。
スレイマンは1勝クラスの時代にペプチドナイルの2着を記録し、オープン特別の阿蘇ステークスでは今年の帝王賞を制したキングスソードの2着。今年のプロキオンステークスでは、出走していれば本命視されていた怪物級のヤマニンウルスに次ぐ2着に入っている。G1馬や怪物級の馬に迫る接戦を繰り広げている点から見ても、スレイマンに力がないわけがない。
さらに、その実力を裏付ける要素として、中京競馬場での相性の良さが挙げられる。これまで同競馬場で3勝を挙げており、コース適性は申し分ない。加えて、姉にあの最強牝馬ジェンティルドンナを持つ血統背景も心強い。
そして注目すべきは、今年のG1戦線で若手騎手の初G1制覇が相次いでいる点だ。春の天皇賞で菱田騎手、ヴィクトリアマイルで津村騎手、宝塚記念で菅原明良騎手、スプリンターズステークスで西村騎手と、4人もの騎手が今年初めてG1タイトルを手にしている。スレイマンの鞍上を務める斎藤騎手も、これまで重賞6勝の実績を持つが、まだG1制覇には手が届いていない。外国からトップジョッキーが参戦する中で、G1に騎乗できる機会は限られているが、今回は数少ない絶好のチャンスと言えるだろう。
ということで今年のチャンピオンズカップでは、これまで強敵たちとの接戦を経て力をつけてきたスレイマンが、若手ホープ斎藤騎手とのコンビで人馬ともに初G1制覇を果たす姿に期待したい。