【香港C2025】ベラジオオペラが国内最終追い切りで好調アピール

12月14日にシャティン競馬場で行われる香港カップ(G1・芝2000m)に向け、ベラジオオペラ(牡5、上村洋行厩舎)が1日、国内での最終追い切りを完了した。上村調教師が自ら跨がった坂路4F54.1-1F12.1の内容は、坂路で動くタイプではない同馬としては十分以上の反応を示し、現状の充実ぶりを明確に裏付けるものとなった。
帰厩後は「中途半端な仕上げはしない」と厩舎が宣言した通り、乗り込み量は豊富で、11月末にはCWで6F79.5、ラスト1F11.1の自己ベストを更新。宝塚記念2着以来の長い休養期間で力をしっかり蓄え、暑さを考慮して天皇賞・秋を回避した判断も功を奏した。現時点で状態面の不安は一切なく、初の海外遠征でも賢さと柔軟な対応力から問題は生じないとみる。
距離はベスト条件の芝2000m。国内で連覇を果たした大阪杯で証明した通り、強豪相手に先行・差しのどちらでも形を作れる自在性は国際G1でも大きな武器となる。国内外合わせ通算3つ目のG1タイトル奪取へ向け、準備は整った。
前走の宝塚記念では最内枠から好スタートを切り、4番手の絶好位を追走。レースはメイショウタバルが一切緩めない厳しいラップの中、雨の影響が残るやや重馬場で行われた特殊戦となった。人気馬が対応しきれずに崩れる中、唯一、実力馬として対応したのがベラジオオペラである。3コーナーでメイショウタバルの様子を見逃さず、早めに動いて勝ちに行った横綱相撲は、同馬の総合力を高いレベルで示す内容だった。
最後は相手の馬場適性に屈して2着に敗れたものの、ジャスティンパレスの追撃を凌いでの2着死守は地力の証明であり、タフなレースへの対応力も明確に示した。高速決着の大阪杯とは真逆のレース質にも順応した点は特筆すべきであり、まさに“阪神の鬼”と呼ぶにふさわしい走りだった。
舞台は初の海外となるが、万全の仕上がりと臨戦態勢を踏まえれば、ここでも堂々と主役を張る存在である。日本馬としての誇りを胸に、世界の強豪相手に新たな勲章を狙う。

