【アルテミスS予想2025】良血フィロステファニ、折り合い課題も伸びしろ十分

土曜の東京メインを飾るのは、2歳牝馬たちが来春のクラシックを目指して火花を散らす注目の一戦「アルテミスステークス(G3、芝1600m)」だ。若駒らしい勢いと素質がぶつかり合う中、注目を集めているのが新潟の新馬戦を快勝したフィロステファニ(牝2、中内田充正厩舎)である。
デビュー戦は新潟芝1600m戦。スタートこそゆったりと出たが、道中は落ち着いて中団を追走。前半3ハロン37秒5という超スローの展開の中、直線に向くと鋭く加速し、2着馬との追い比べを首差で制した。勝ち時計以上に印象的だったのが、ラスト3ハロン32秒6という驚異的な末脚。瞬時にトップスピードへと切り替える反応の良さは、クラシックを意識せざるを得ないポテンシャルの高さを感じさせた。
一方で、レース内容にはまだ若さも垣間見えた。道中で行きたがる素振りを見せるなど、折り合い面には課題が残る。騎乗したキング騎手も「賢い馬だけど、折り合いやしまいの反応など、まだ分かっていない部分がある」とコメント。しかし同時に「競馬でやるべきことを理解してくれば、さらにステップアップしていける」と成長への手応えも口にしている。経験を積めば一気に完成度が高まるタイプで、伸びしろの大きさこそが最大の魅力だ。
血統背景も非常に魅力的だ。半兄にはマイル重賞を制したヴァンドギャルド、そして昨年の皐月賞馬ソールオリエンスがいるという超良血で、瞬発力と持続力を兼ね備える配合といえる。加えて、最終追い切りでは栗東坂路で4F54.8-1F12.3をマーク。時計自体は目立たないものの、動きには余裕があり、脚取りの力強さとバランスの良さは2歳牝馬とは思えないほど。調教からも高い完成度がうかがえる。
まだ気性面に幼さを残すため信頼度は未知数だが、末脚の威力は確かで、良血馬らしい伸びしろも十分。素質と血統、そして将来性を兼ね備えたフィロステファニが、ここでどんなパフォーマンスを見せるか。クラシックへとつながる大舞台で、その真価が問われる一戦となる。

