【小倉記念2025予想】新星メリオーレム、夏の小倉で旋風を起こすか?

小倉競馬の日曜メインには、夏の名物重賞「小倉記念」が組まれている。灼熱の小倉で繰り広げられる伝統のハンデ戦には、新潟大賞典3着のハピや、目黒記念4着のディープモンスターといった実力派のベテラン勢が集結し、見応えのある一戦となる。しかし、その中でも最も注目すべきは、前走の3勝クラス・むらさき賞を快勝して勢いに乗る新鋭・メリオーレムだ。
メリオーレムは前走、東京1800mのむらさき賞に出走。縦長の展開の中で5〜6番手を追走しながら、前半1000mを56秒台という異常なハイペースにも動じず、淡々と脚を溜めて進んだ。直線では坂を駆け上がったタイミングで鋭く抜け出し、前を行く逃げ馬をクビ差で差し切り勝利。着差こそ僅かだったが、内容は完勝だった。
この一戦は、これまで2000m以上を主戦場としてきた同馬にとって初の1800m戦だったが、距離短縮への適応力を見事に証明した形となった。スピードと持続力のバランスが取れた走りで、重賞戦線でも十分通用するポテンシャルを持つことを印象づけた。
そして、最大の強みは川田将雅騎手とのコンビにある。ここまで挙げた4勝はすべて川田騎手の手綱によるもので、騎手との相性は抜群。さらに川田は近年、小倉芝1800mにおける勝率が30%前後という驚異的な数字を記録しており、この舞台での信頼性は群を抜いている。今回も好位からの競馬が予想されるが、地元での重賞であればその手腕は心強い限りだ。
斤量は56kgとやや見込まれた形だが、それは今の勢いと内容に対する評価の裏返しとも言える。明確な逃げ馬不在で、前走のようなペースにはなりにくい可能性もあるが、それでも脚質の自在性を活かせる展開であれば、この馬の強さが際立つはずだ。
重賞初挑戦となるが、相手関係を見ても絶対的な存在は不在。古馬の重賞常連に対しても、能力的に劣るとは感じない。ここを突破すれば、一気に重賞ウィナーの仲間入りを果たし、秋以降にはG1戦線を見据えたローテーションも現実味を帯びてくる。
勢いに乗る上がり馬メリオーレムが、夏の小倉で一気に重賞制覇へと駆け上がる。その走りに、注目が集まる一戦となりそうだ。

