【不来方賞2025予想】主役はナルカミ、左回り克服なるか?

2日は岩手競馬の伝統重賞「不来方賞」が行われる。注目を集めるのは、デビュー4戦で3勝を挙げている素質馬ナルカミだ。
昨年11月にデビューすると、2歳新馬でいきなり2着に2秒差をつける圧勝劇を披露し、強いインパクトを与えた。続く2戦目は序盤のダッシュがつかず、それでも強気に先手を主張したが直線で力尽き7着に敗退。勝ったドンインザムードはその後、UAEダービー3着、レパードS優勝と世界的な実力を証明した強豪であり、この敗戦は悲観すべき内容ではないだろう。休養を経た3戦目では、直線で一度交わされながら差し返す根性を見せて快勝。さらに前走の福島3歳以上2勝クラスでは、5馬身差をつける圧勝で走破タイムも優秀だった。デビューから4戦すべてで1番人気に支持されており、ファンの期待の高さを裏切らない内容を示してきた期待馬だ。
今回の不来方賞は重賞初挑戦となるが、唯一の不安材料は"左回り"。唯一の敗戦が中京ダート1800mでの一戦であり、左回りの舞台で力を出し切れなかったという点は気がかりだ。特にそのレースではハイペースで飛ばしたことが響き、直線の坂で苦しくなって失速。右回りでの3勝はすべて1000m通過62秒台であり、左回りで61秒台の流れになった中京では対応できなかった印象もある。今回の盛岡2000mは左回りかつ直線に上り坂があるだけに、再現の不安は残るだろう。
それでも田中博康調教師は「良化がスローなのはいつも通り。状態は整っている。距離延長も跳びの大きさを考えるとむしろ良い」と手応えを語る。課題は左右のバランスだが、初の2000mは新たな可能性を引き出す舞台となる。2カ月以上の間隔を取った点もプラス材料で、成長力を感じさせる。
今回の鍵を握るのは先行力と持久力のかみ合わせだ。うまく息が入り、マイペースに持ち込めれば距離延長の利点を最大限に活かせるだろう。鞍上には戸崎圭太騎手を迎えており、全国区の名手がどう導くかも見どころだ。重賞初挑戦でJpn2制覇を果たし、ジャパンダートクラシックへの切符を掴むか。ナルカミの走りに大きな注目が集まる。

