中山競馬の日曜メイン「ラピスラズリステークス」（芝1200m）には、ロードフォアエースが前走ラジオ日本賞・4着から巻き返しを期して参戦する。前走は3歳春以来となるダート戦で、中団6番手からの追走。4頭分外を回されるロスが大きい競馬だったが、それでも最後はしぶとく脚を使って4着まで浮上した。外枠でキックバックを嫌がる面を見せたことを考えれば、内容自体は評価できるもので、芝に戻る今回は条件が大きく好転すると判断できる。

2走前の北九州記念では、重賞のさらに上を見据えて川田騎手が攻めの競馬を選択し、4番手の好位から運ぶ形となった。しかし前に行った馬には厳しい展開で、結果的に同馬もラストで失速して9着に沈んだ。斤量56.5キロを背負っていたとはいえ、同型のヨシノイースターが58キロで前受け競馬を成立させていたことを考えると、ロードフォアエースには持久力勝負での耐性に課題が残る印象だ。川田騎手の攻めの意図に応えきれなかった点からも、現状ではG3上位戦線での壁が見える。

近走ではダート、芝、先行、差しと試行錯誤が続き、適性の見極めに苦戦している印象もある。しかし、ロードフォアエースの本来の持ち味は芝スプリント戦でこそ発揮されるタイプだ。今回その“原点”へ帰ってきた形であり、オープン特別のメンバー構成であれば能力は上位。すんなり先行できれば押し切りまで十分に視界へ入ってくる。

鞍上は前走に続き戸崎圭太騎手が務める。これまでの2戦はいずれもダート戦での騎乗だったため、芝では今回が初コンビとなるが、昨年には初めてコンビを組んだレースで逃げ切り勝ちを収めているように、この馬のペース配分や勝ちパターンを十分に理解しているはずだ。馬場状態や枠順との兼ね合いはあるものの、戸崎騎手がロードフォアエースのリズムを整えられれば、持ち前の先行力と粘りを最大限に引き出すことができるだろう。

迷走気味だった近走の流れを断ち切り、本来の適舞台で復権を狙う一戦。ここでの内容次第では、再び重賞戦線へ向けての道が開ける。気配は悪くなく、勝ち負けに加わるだけの準備は整っている。