【日本ダービー2026】ロブチェン、課題は"折り合い"ただ一つ
公開: 2026/05/29 14:44

過去10年で皐月賞組が8勝を挙げているように、日本ダービーの中心となるのはやはり皐月賞組。その中でも最有力候補として注目を集めるのが、皐月賞を快勝したロブチェンだ。
前走は他に速い先行馬が少なく、さらに有力馬リアライズシリウスが外枠に入ったことで自然とハナに立つ形となったが、ロブチェン自身にはほとんどストレスや消耗は見られなかった。1000m通過58秒9は一見速く映るものの、同日の野島崎特別と比較しても極端なハイペースではなく、あくまで自然体で刻んだラップだったと言えよう。
さらに後半1200mは11秒台を持続しながら、ラスト600mから200mにかけて11秒4―11秒1と再加速。4コーナーを楽な手応えで回られては、後続はなすすべがなかった。直線では松山弘平騎手のステッキに鋭く反応し、そのまま押し切り。逃げてロスなく運びながら完勝する非常に強い内容だった。
前走前には折り合い面を意識した調整を行っており、その成果もあってスムーズな競馬を実現。さらに共同通信杯で東京コースを経験できたことも大きな収穫となった。安定したスタートセンスに加え、自在性の高さも大きな武器で、状態さえ万全なら二冠達成の可能性は十分にあるだろう。
もちろん課題がないわけではない。やはり課題は"折り合い"。
そもそも前走の皐月賞でハナを切った背景には、共同通信杯でスタートが良すぎたことで控える形となり、結果的に折り合いを欠いてしまった経緯がある。その反省も踏まえ、皐月賞では無理に抑え込まず自然に出していく形を選択した側面が強かった。
実際、皐月賞では逃げる形で能力を最大限に発揮し完勝したが、日本ダービーでは同じ競馬が簡単に通用するとは限らない。東京芝2400mは皐月賞以上に折り合いが重要となる舞台であり、ロブチェン陣営も“逃げ切りでダービー制覇”の難しさは十分理解しているはずだ。
さらに今回は大外枠という厳しい条件も加わる。リアライズシリウスが狙いそうな2〜4番手のポジションには、内枠のアスクエジンバラ、パントルナイーフ、フォルテアンジェロなど先行意識の強い馬たちが並んでおり、各馬が序盤から積極的に前へ出していく可能性が高い。
そのため、ロブチェンは最初のコーナーまでにスムーズに内へ潜り込めない展開も十分考えられる。外を回されながら位置を取りに行く形になれば、距離ロスに加えて折り合い面にもさらなる負荷がかかるだろう。今回入った8枠17番は外過ぎる印象で、逃げれなかった場合に上手く脚を溜められなくなる可能性が増しそうだ。皐月賞では理想的な形で運べたロブチェンだが、日本ダービーでは前走以上に難しい立ち回りを求められることになりそうだ。
とは言え能力は間違いなく上位なので、出たなり好位、折り合い専念、終いに懸ける競馬で圧勝ということも十分にありえる。父は長距離G1を2勝したワールドプレミア。血統面から見れば2400mへの延長は歓迎材料とも言えそうで、引き続き高いパフォーマンスを発揮する可能性も十分にあるだろう。
皐月賞のように速い追走力が求められる展開は、日本ダービーではそれほど多くないだけに、展開ひとつで逆転の余地はある。それでも現時点で主役の座に最も近い存在であることは間違いなし。2020年コントレイル以来となる史上25頭目の二冠馬誕生へ。先週のオークスで惜しくも牝馬二冠を逃した松山弘平騎手が、その雪辱もかけて悲願のダービー制覇に挑む。

