【JRAローズステークス2025】カムニャックに死角あり?二冠女王へ視界良好

秋華賞トライアルのローズステークスが迫る中、主役として注目されるのはオークス馬カムニャックだ。
フローラSを7番人気で勝利し、オークスも4番人気ながら頂点に立った。いずれも人気を覆す内容であり、とりわけオークスでは桜花賞組を撃破する高いパフォーマンスを見せた。後方から脚をため、直線で外から豪快に差し切った走りは鮮烈で、鞍上のA.シュタルケ騎手も「反応が素晴らしかった」と絶賛。51歳にして日本の馬場に適応した“我慢の騎乗”が、勝利を引き寄せたとも言って良い。
カムニャックの血統は父ブラックタイド、母父サクラバクシンオーというスピードと持続力を兼備した配合で、祖母はオークス馬ダンスパートナー。ノーザンファーム生産の厩舎所属と、王道を歩む存在だ。東京コースでの持続力ある末脚が武器だが、左回りを得意とする一方で、阪神外回りの長い直線も脚質に合う可能性は高い。スタミナ型で、オークス勝利も時計のかかる馬場に助けられた面があるが、ローズSで問われるスピード適性への対応力が試金石となる。
調整過程も順調そのもので、1週前追い切りではCWコースで6F78秒8、ラスト2F11.1-11.0と鋭い伸びを披露。入厩直後から坂路で好時計を連発しており、夏を越しての成長は確かだ。
今回は鞍上がシュタルケ騎手から川田将雅騎手へと乗り替わる。川田騎手とはデビュー戦以来の再コンビだが、近2戦の内容を考えると交代をプラスと断じるのは少々難しいか。ただ、経験豊富な川田騎手であれば、実力を発揮させる騎乗も期待して良いだろう。
能力的には明らかに上位となるが、秋華賞を見据えた叩き台の一戦とみる向きもある。過信は禁物としつつも、ここで大崩れするイメージは湧かない。カムニャックがローズSでどのような走りを見せるかは、秋華賞の勢力図を占う大きな材料となる。実績・実力とも最上位のオークス馬が、再び強さを証明できるか注目だ。

