【JRAセントライト記念2025】ミュージアムマイル、ダービー敗退の理由は距離か舞台か?中山で答え出す

日本ダービー・6着から巻き返しを狙うミュージアムマイル。ダービーでは序盤のポジション争いで後手を踏み、前半から12秒台前半の厳しいラップが刻まれる展開の中で脚をため切れず、直線ではギアチェンジが利かずに力を出し切れなかった。レーン騎手は「スタートは良かったが流れが速く、後方からになった。リズム自体は良く、直線の反応も良かったが展開の差が出た」と振り返っている。敗因は東京2400mの適性差と見るのが妥当だ。
皐月賞ではモレイラ騎手の完璧な騎乗と展開の後押しもあり、力強い内容で勝利を収めている。フロックではなく実力を証明した走りだっただけに、ダービーでの敗戦は舞台適性の問題と考えられる。ただし、展開や適性が合わなければ勝ち切るだけの絶対的な力には欠けるというのも現実だ。
今回は中山芝2200m外回りが舞台。皐月賞で急坂を伸び切ったように、この馬にとって最も力を発揮できる条件といえる。距離適性はマイルから2000mあたりまでと見られるが、中山外回りの緩やかなコーナーであれば対応可能だろう。中団から好位につけ、直線で差し脚を繰り出すスタイルは舞台設定に合致する。
中団で脚を溜め、直線で外から差し切る展開になれば勝ち切るシーンも十分ある。課題はハイペース時の位置取りだが、皐月賞で見せたレースセンスを考えれば克服は可能だ。
仕上がりについても順調で、最終追い切りでは栗東坂路で2頭併せを行い、4F53秒9―1F12秒1をマークして併入。1週前追いでは6F83秒4―1F11秒4で先着しており、動きの良さが目立っている。
脚の使い所が難しいタイプで信頼度は高くないものの、圏外に沈む可能性は低い。中山で改めて能力を証明する舞台が整ったといえるだろう。

