今週末の関屋記念に、NHKマイルカップ11着から挑むイミグラントソングが参戦。3歳馬として古馬と初めて顔を合わせる一戦となるが、その潜在能力と鋭い末脚を武器に、重賞2勝目を狙う構えだ。

前走のNHKマイルCでは、アドマイヤズームをマークする形で先行したが、結果的にこれが裏目に出た。レースはハイペースで流れ、前半から脚を使わされる展開に。ルメール騎手が「手応えは良かったが、坂で加速できなかった」と語ったように、狙った位置取りはできたものの、直線では失速。東京マイルを知り尽くすルメール騎手らしからぬ“追いかけ”の競馬で、展開も馬場傾向も逆風だった。

とはいえ、前走の敗戦は度外視できる。スプリント戦のような流れで先行しては厳しいのは当然で、むしろ前傾ラップに巻き込まれながらも粘った内容には一定の評価ができる。そもそも東京コース自体に適性がなかった可能性も高く、本質的には瞬発力を活かせるスローバランスの競馬が理想だ。

イミグラントソングの真価が発揮されたのは、2走前のニュージーランドT。大外枠からのスタートだったが、縦長の展開と外差しが決まる馬場を味方につけ、堂々の差し切り勝ち。後に重賞戦線で善戦するメンバーを相手に完勝しており、実力は確かだ。特に2歳チャンピオンを差し切った末脚の爆発力は見逃せない。

一方で、中山での高パフォーマンスに対し、左回りの東京ではパフォーマンスを落としているのは懸念材料。今回の舞台・新潟もまた左回りかつ直線が長いコース。ポジション取りが重要となる新潟マイルにおいて、スムーズな先行策が取れるかどうかがカギを握る。

とはいえ、美浦・ウッドコースでの1週前追い切りでは自己ベストを更新し、状態面には不安はない。6F82.8秒—5F66.0秒—1F11.3秒の好時計をマークし、放牧明けながらしっかりと仕上がっている印象だ。リフレッシュ効果もあり、末脚の威力は健在だろう。

関屋記念は新潟開幕週で行われるため、セオリーとしては内枠の先行馬に注目が集まる。しかし、イミグラントソングのように爆発力ある末脚を持つ馬であれば、展開ひとつで突き抜ける可能性は十分にある。古馬初対戦という課題はあるものの、持てる素質をフルに発揮すれば、あっさり通用しても驚きはない。

この夏、新潟の長い直線を駆け抜けるイミグラントソングの末脚に注目が集まる。重賞2勝目へ、ここが勝負の一戦だ。