【JRA目黒記念2023予想】あの有力馬が抱える〝危険サイン〟とは?
東京競馬の日曜12Rは「目黒記念」が開催。ダービーの興奮冷めやらぬ府中で行われる伝統の一戦で、ダービーデーを締めくくるレースとして定着している。
主役は前走の白富士ステークスでドーブネを撃破し台頭してきたサリエラだろう。
レースは典型的な東京中距離の標準ペースで流れる展開。中団追走でスロー瞬発戦は同馬にとっては「勝って下さい」のレース展開だった。
2走前のローズSでは、後方でじっくりと脚をためる競馬をして、上がりはレース最速の33秒7。デビューから4戦すべての上がりが最速で、東京コースも3戦3勝と適性はバッチリだ。
ここは人気上位に推されること間違いなしの1頭だが、不安もある。まず挙げたいのは“55.5kg”のハンデだ。420kg台の小柄な牝馬にとってこの斤量は酷。この斤量を背負って坂を2度越える2500mをこなし、最後の直線でいつものような末脚を繰り出せるかどうかはいささか疑問符がつく。
キャリアはまだ4戦といったようにもともと使い詰められない弱さがある馬で、約4ヶ月の休み明けで状態面がどこまで整っているかも気になるところ。万全でない状態ならこの条件はかなり厳しく、信頼しすぎるのは危険かもしれない。
次の懸念は“馬場”だ。東京コースは今週からCコース替わりとなるため、内をロスなく通れる先行馬に有利に働く可能性がある。できれば良馬場で走りたい馬で、脚を削がれるところをまわってくるとなると最後は伸びない可能性もある。
現在雨の予報はないので良馬場での開催となりそうだが、当日時計がかかる馬場なら注意しておきたいところだ。
サリエラは10月にフランスのパリロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞にも登録しており、今年の国内レースはここが最後となる可能性も。タフなロンシャンの馬場は合わなそうな気配もあり、斤量もおそらく今以上の重さを背負うことになるだろう。
凱旋門賞参戦はまだ未定だが、今回タフなハンデを背負って外を回して差し切ってくるような競馬を見せてくるなら、本番も大いに期待できる。